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僕の『ほうじ茶チャイ』

 神原通信」2020年より

「チャイの旅」の原稿を書いた3年前(2017年)は、ほうじ茶といえば「茶色い茶葉」しか知らなかったので、一保堂のほうじ茶や、友達に勧められたものを使ってチャイ用の茶葉とブレンドしてチャイを作っていました。たまに飲むにはいいかな、ぐらいの気持ちで。

ところが、昨年、金沢でワークショップをやった時に参加してくれた五十嵐さんから、「金沢へ行くと必ず買って帰る加賀棒茶。『チャイの旅』の中の「ほうじ茶チャイのレシピ」を参考にして淹れてみたら、想像以上に美味しかった」とメールをいただき、「なんていう銘柄のほうじ茶を買えばいいんですか?」と訊いたところ、「丸八製茶場の献上加賀棒茶です。」と教えてもらい「これじゃないとダメなんです。」ということでした。

その後、中津カンテでのワークショップにも来てくれた五十嵐さんから「献上加賀棒茶を使ったほうじ茶チャイ」を作ってもらったら、ほうじ茶のいい香りがとてもしっかりと残っていて印象的でした。
五十嵐さんに茶葉を見せてもらったら、ちょっとびっくり。茶色い茶葉ではなくうす緑色の茎が入っていたんですね。でも、香りはちゃんとほうじ茶のいい香り。見た目は緑茶なのに匂いはほうじ茶。これ、ちょっとしたカルチャーショックでした。(笑)

丸八製茶場さんの説明文によると「茶の樹の茎の部分を浅く焙じることによって香ばしさを出すという製法」らしい。茎の部分だけなので「棒茶」というんですね。金沢ではこれがほうじ茶の定番らしい。勉強不足で全く知らなかった。それに、五十嵐さんは「中でも『献上加賀棒茶』は香りがダントツ」と一推し。

ということで、いつもは茶色いほうじ茶を適当にチャイにトッピングして使っていましたが、今日はちゃんとしたレシピを作って、分量をきっちり計ってみました。(比率は秘密ですよ。)

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<ほうじ茶チャイの作り方>

神原オリジナルの「ほうじ茶チャイ」4g

ブリタの浄水110cc、成分無調整牛乳 120cc

卓上IH調理器使用。手鍋は16cmのホーロー鍋。

鍋に水と茶葉を入れ沸騰したら中~強火で2分煮て、牛乳と砂糖を加え沸騰したら中~強火で2分煮て火を止める。今回は水分をあまり飛ばさないように泡立ちを控え目にして、できあがりは140ccに。砂糖は和を意識して上白糖を5g使用。

お湯が沸くと速攻で香りが広がります。これ、本当にチャイなのか!?と疑う程に。
出来上がったものはあっさりしているので、一気に飲み干しました。

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さて、このほうじ茶チャイ、あの「マツコの知らないチャイの世界」に僕のアレンジチャイとして登場し、マツコさんに高い評価をいただきました。その威力は破壊的(笑)で、丸八製茶場さんにまで波及し、献上加賀棒茶の注文がかなりあったそうで、しばらくしてお礼状とともに新作のほうじ茶が僕のところに届けられ、原案元の五十嵐さんにもお裾分けしたのでした。

その後、しばらくはネット通販のページにリストアップされていたのですが、僕の「ほうじ茶チャイ」を一度も飲んだ事のない人には、ネーミングだけではその美味しさが伝わらず、あえなくリストから外れたこともあります。でも、僕のチャイショップやワークショップでサンプルを飲まれた方には好評で、茶葉はその場ですぐに売り切れてしまう人気ぶり。やっぱり一度飲まないとその良さが分からないんでしょうね。

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