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【モノの話】ペット・ロックが恋しくなる時期


◇ペット・ロックとは


ペット・ロック( Pet Rock)は、1970年代にアメリカで流行した玩具の一つ、ごく普通のを仮想的なペットに見立てて愛玩するというもの。
商品内容は、ペットとしての石に加え、ペットと同じように通気孔のあいたキャリーケース、石を鎮座させるための布や藁、飼育方法や訓練方法を記載したマニュアルと血統書がセットになっている。購入者はマニュアルをもとに、石に対してイヌなどと同様に「来い」「お座り」「伏せ」といった基礎訓練を施し、決まった時間に入浴させ、ベッドに入れ休息を与える。

Wikipedia

つまるところただの石なんですけどね。
10代のころに存在を知ってしまってから時々くる「その辺の石を持ってきて飼おうかな」という気持ち。
訓練してイヌの様にというわけではないからペットにしたいという感じではないのかもしれない。
いうなれば「気持ちのサンドバッグ」。
言葉選びの野蛮さで一気に愛が消えた気がした。


◇どうして恋しいの

きっかけというか、欲しくなる理由はですね
いつでも誰にでも”一過性のものだから人に話すでもない”ってストレスがあるじゃないですか、SNSが生活にあって自然な時代のいま、そういう”言わなくてもいい”ことが気楽に吐き出せますよね。
少し冷静になれば「あれ、大したことじゃなかったな」って思えることなのにSNSに書き込んだことで炎上とまでは行きませんが、絶妙にややこしくなることってよく見かけませんか?
それに限らず、ふとぼやいてめんどくさいことになった経験は自分にもあるし、それでこじれた相談も色々聞いてきたので、基本一過性のうっ憤を外部に発散するのに”めんどくささ”を感じるんですよね。
それもストレス小さくてもストレス。種火は種火。

そんなときに「ペット・ロック」なんですよ。
いやぬいぐるみとかでよくない?
違うんですよ
ぬいぐるみって存在感が強くて、それ故にぬいぐるみに話すのは更に上の段階というか、もっと大きいストレスを抱えたときに頼りたくて。
今回のストレスはそれより軽い場合として、顔があって体がある「生き物」が思い浮かぶものだとその情報がちょっと邪魔なんですよね。
完全な”物”ならどうか、ということで車やコップや鍵も試してみたんですが「用途」の情報がふと別のことを思い出させて、その場での小さいストレスが負けてしまうんですよ。そしてそれが去ったころにまた戻ってくるという。

そして実際いろいろ試してみて良かったものが「土」「石」ですね。
でも土には生き物がいたり、光で動きがでるので少しだけ時間に置いて行かれている孤独感を感じちゃったりして2番手。
ということで「石」です。「石」。
デスクに置けるし、無機質だし、なんの用途もないし、個体として存在してくれるので触れるし……

できればツルツルの丸い石がいい。
海や川で見つかるような凸凹したものには時間が詰まっているのでそのことに夢中になっちゃいそう。
そんなことしたらストレスよりも妄想で仕事に支障がでるのでダメ。
だからできればツルツルの石がいい。
怒りに進化する前のストレスを「ちょっと聞いてよ」って静かに聞いてくれるツルツルの石がいい…

ハンカチかなにかやわらかいものの上に置いて、横にお菓子でもおいてさ
ネガティブなことだけじゃなくて可愛い画像とか見つけたら「これ見てよ」なんて見せて見たりさ、したい。

あと個人的につい最近頭を埋めていた大好きがガランといなくなってしまって、どうも閉まった窓や扉から見える影をわざわざ見に行くという変な時間が増えまして、そういうときの気持ちをポツリと言える先があるといいなーなんて思ったわけです。


◇パッケージというやつは

ガラッと内容は変わって1970年代に登場した広告業のGary Dahlさんが考案した本家「Pet Rock」のパッケージの話。

商品の内容は文字通りただの石なんですが、人間って不思議なものでパッケージングがしっかりしていればただの石ころも「商品」と認識するわけで。
一時代を作るほどの大ヒット商品になった歴史も大好きなんですよね。

この「Pet Rock」、箱に空いた中身が見えない位置にあいた穴と、シンプルなデザインに売り文句やカジュアルなロゴが印刷されていてオシャレなパッケージに飼育マニュアルつき。
中に入っている石も、その辺で拾った石と、ただ同然で手に入る藁だったらしいんですけど、組み合わせることで鳥の巣にあるタマゴのようで愛嬌があると感じてしまうのがにくい…!

Buzzap!「ただの石をペットにして愛でる半世紀前の「Pet Rock」、禅すら感じる謎の流行はどこから来たのか」より

もちろん「世話のいらない死に別れることもない完璧なペット」という訴求文句もヒットした素材の一部ではあるのですが、石ころだけを見せられるのとこうしてパッケージングされて見せられるのって絶対に印象違うじゃないですか。
”そんなのあたりまえ”なんですが、そのあたりまえの心理効果が詰まった代表格の「Pet Rock」という存在に尊さを感じている私です。
後にも目をつけてみたり、箱を少し豪華にしてみたりと色々後続商品がでていますが、やっぱり最初のこのシンプルさが一番オシャレで好きですね。

はーパッケージは魔法ですよ。ほんと。

世のパッケージデザイナーさん愛してる。

あとこれはパッケージというのか実は地味にゲームもでていたり

switchにミニオンズにのっかってゲームがでてたり、やってみたいけど675円が絶妙

↑こっちはミニオンズより前だけどガチの石

あとこちらは実際プレイしていたんですが、石を眺めたい、石になりたい、
石になった人たちと集まりたいって方にピッタリですよ。
時間の移り変わりで表情の変わる石(というか岩)は癒されます。

最後のはちょっと方向性は違いますがとりあえず「石はいいぞ」


◇みんなあつまれ~

ストレスを人より感じやすい皆々様に石をオススメしたいということで。
話題のポケットにかわいい人形いれておくとか、定石の気軽に友人にLINE送ってみるとか、そういうストレス回避方法にもどうも手が伸びないという方は、「石」、アリかもしれませんよ。

私としてはいま「なんかいい感じの石ほし~~~~~」ゲージMAXなのでとてつもなく川とかに行きたい気持ちを抱いて寝ようと思います。
おやすみなさい。

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