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【犬の話】キャリア・チェンジという生き方



◇はじめに

今回はキャリア・チェンジ犬について書こうとおもいます!
先日読んだこの方の記事に触発されまして、自分も似たというか、想うことがあったので「犬の話」と言いつつも自分自身の話になりそうな予感。

◆キャリア・チェンジ犬とは

そもそもキャリア・チェンジ犬とはなんぞやと。
生活の中には盲導犬、警察犬、介助犬、補助犬、聴導犬といろんな働くワンちゃん達がいるのですが、生まれてくる全ての子がそれぞれの職に向いているかというと当然のことながら「そんなことはない」です。
人間でも”専門の学校にいったら絶対に希望職につけるか?”と言われるとそんなことありませんよね。
犬にだって向き不向きの個性があります。
そしてその中の「不向き」だった子たちが「キャリア・チェンジ犬」となり、ひきとられ家庭犬として生活していくことになります。

◇ダメ犬なの?

そしてここでよく勘違いされるのが”つまりダメ犬なのか?”と。
頭が良くなかった、出来が悪かったから職業犬になれなかったんだろう。

それは違うんです。
先に書いた通り犬にも個性があります。

実は私は9月に実家で飼っていた愛犬を亡くしたんですが、その子がまさに盲導犬のキャリア・チェンジとしてうちに来た白いラブラドールのアイル。まだまだ元気いっぱいなもう1匹も同じくこちらは介助犬のキャリア・チェンジできた茶色ゴールデンのアロ。

白いラブラドールのアイルと茶色ゴールデンのアロ

この子たちがなぜ職業犬にならずうちに来たのかご紹介します。

◇アイルの場合

この子が盲導犬になれなかった理由は
「おもちゃに興味が薄い」
「食べ物への執着がすごい」
「マイペース」
「身体が大きい」
というものでした。
職業犬の多くはオモチャを使用してコミュニケーションを行い、その中でコマンドを覚えさせて訓練を進めるのですが、この子の場合はオモチャへの執着が薄いので訓練ができずお手上げだったそうです。

一度別の家庭にも引き取られたそうなのですが、テーブルの上のものを勝手に食べたり、食への執着がひどく戻ってきたそうで訓練士さんも「困った犬」と紹介してくれたのを覚えています。

ですがこの子の場合、訓練していたその場所や訓練自体にストレスを抱えていたようでうちに来てからダメなものはダメと教えるとすぐに落ち着きましたし、トイレも教えてないのに最初から完璧。
ご飯とオヤツ大好きですが、家庭犬ならなんら問題ありません。
マイペースというのもおとなしく、感情表現が苦手な割に甘えん坊でかまってちゃんでよく拗ねるというむしろかわいいものです。
おもちゃの件もそれに興味が薄い代わりに、人が喜ぶことや知らない場所が大好きという家庭犬向きすぎる性格でした。
大きいというのも「盲導犬になるには」というサイズで大型犬ならこんなものだろうというサイズでしたね。

他にもいろいろ聞いてた話と違う賢さで「君は自分で選んで盲導犬にならなかったんだな」と家族そろって言っていたぐらいです。

性格というのは遺伝も影響するので同じような理由で兄弟犬たちもキャリアチェンジとして家庭犬になっていたのですが、みんなマイペースさと食欲はそっくりで微笑ましい限りしたね。

遠くから、かまってもらえないか念をだしている様子

◇アロの場合

この子が介助犬になれなかった理由は
「ボールが好きすぎる」
「怖がり」
というものでした。
先にうちに来ていた、アイルとは逆でおもちゃに興味がありすぎるパターン。
犬としての本能なのかなんなのか…いまだに不明なのですが、ボールへの執着がずば抜けていたんですね。
普段はおとなしいものなのですが、ボールが落ちているのを見ると大興奮。
投げてほしい、動いてるボールを追いかけたいというのではなくボールみたいなものならなんでもいいから欲しいという感じでしたね。
口にくわえたままよく寝ていました。
前世はゴールキーパーかなにかなのか?

怖がりの件は、段々落ち着きましたが、最初は”踏切の棒””支線ガード””ビニール””カラスの声”、とにかく特定の動くものを異常に怖がっていましたね。
それなのに車は怖くないようで平気で道路に飛び出ようとするので大変でした。
いまでも狭い場所や暗い場所には、狂うほど好きなボールがあっても怖がって近づけないぐらいです。

そんなアロもトイレは教えればすぐ覚えましたし、いたずらもすることはありませんし、家庭犬としてはなんらカワイイレベルです。
まぁ今後病院にお世話になることがあれば怖がりな部分は気になるところですが、まぁ人間でも入院はドキドキするものですし。

「これでは確かに介助犬にはなれないわな」なんて笑ってたりしますが、人なつっこくて車での長距離移動も平気な大変優秀な家庭犬です。
ちなみにアロの兄弟犬は、その人なつっこさから介助犬のPR犬として活躍しているそうな。

なんだかわからないけどいつもニコニコしている

◇どこから申し込めるの?

盲導犬協会や介助犬協会、他の職業犬もそれぞれの公式WEBサイトへいくとボランティアのページなどに記載があると思います。
必ず顔合わせや引き取りで現地へ行くことになるので、車でいけるところにてお申込みください!
施設ごとにそれぞれ条件に厳しいものもあると思いますが、職員の方々も犬が人間の希望に沿えなかったからといって、大事な子たちには変わりないのでそれを受け継ぐ気持ちで迎えに行ってあげてくださいね。

◆最後に

◇必要とされている

過酷な訓練を乗り越え、助けを必要としている方のもとへ行く職業犬。
それに”なれなかった”キャリア・チェンジ犬ですが、少なくとも私は紹介した2匹を”必要”としていました。
この子たちがいなければ、いまのように自立した人間にはなっていませんし、いまの年齢まで生きていたかもわかりません。
確実にこの2匹は「必要とされている場所」へ来て人を助けています。

昔の”ダメ犬”という印象がまだ残るキャリア・チェンジ犬、言葉の通り生きる形を変えて必要とされる場所へ行く犬だと理解されていけば嬉しいなと想う毎日です。

※有料部分はキャリアチェンジ犬への想いをのびのび書いています

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