一人コント台本|フリー
センター中央に机、椅子
板付き…椅子に座っている
L:全明転
M:チャイム
-教室-
「近藤君、おつかれー。転校してきて一週間経ったからね。だいぶこの学園にもなれたよ。歓迎会のカラオケ、企画してくれてありがとう」
「あ、この学園のさ、女子の制服、異常に可愛いくない?え!あの制服着たいから、この学校に全国から女子生徒集まってるの?だからレベル高いんだ」
「気になるひと?んー、クラスメイトの神宮寺さん?あ、そう!神宮寺繭さん!学園長の孫!へぇ!大人っぽいよねー。え?近藤君も神宮寺さん好きなの?ライバルぅ!」
「エントリーしたら?って何?エントリー?」
「何これ。ありがとう。あ、神宮寺繭さんに告白したい人は、この用紙に必要事項を記入してエントリーフィーを持ってエントリー宜しくお願い致します。…なんだこれー!」
「あ、うん。神宮寺さん。人気有りすぎて、告白されるのエントリー制にしてるんだ。学校側が?へぇ…きもちわりぃ!」
「しかもお金とるってなんだよ。あ、告白したい人が多すぎて、バイトも部活もできないから?謝礼として??…謝礼って言い方もなんか気持ち悪いなぁ…」
「エントリーした上で抽選なの!?エントリーフィーいくら?1万円?高っ!エントリーして、抽選して、告白をやっとできるの?でも付き合えるとは…限らない…よね?しんどいなぁ」
「あ、そういえば、うちのクラスのさ、野々村さんもいいよね」
「え?野々村さんも神宮寺さん程ではないけど人気?そらそうでしょー。野々村さんは月に二回エントリー出来るんだ!確率倍じゃん!倍ならいける!…いけねぇよ!なにそれ!」
「水泳部の水野さんはエントリーフィー払えば、1ヶ月いつでも告白し放題!?」
「山本さんは週に一回好きな色のカーディガン来てもらえる?!靴下も選べる!…女子高生と言えばカーディガン!めちゃくちゃ良い!じゃなくてぇ!」
「え?サブスクみたいになってるよ?この学園の女子皆やってんの?男子もそれでいいの?神宮寺さんの人気に対抗したいのはわかるけど。恋愛ってそういうんじゃないとおもうけどな…あ、こんな時間、また明日!」
机から立ち上がり、机の周りをゆっくりと周りだす。
「この後、僕は…神宮寺繭の美貌、可愛すぎる制服。その二つが合わさって…この学園が…どうかしてしまっている事を見せつけられる」
M:木琴BGM
L:全明転にLEDオレンジ追加
机の周りを移動しながらショートコントのように演じる。
舞台前方に移動
「はい?神宮寺さんのエントリー券?5万円?あぁ。いらないです。…転売屋がいる…」
舞台後方に移動
「近藤君!すごい良い景色だねぇ、街が一望できる!え?…こっちが卒業生が住む町?こっちがこの学園に入学出来なかった人達が住む町?露骨に住み別けられている」
舞台上手前方に移動
「あ、中山君。このハンバーガーショップでバイトしてるんだ。あ、エントリーフィーのために?あー。転売屋から買っちゃダメだよ!まぁ…頑張って…(マイムであれがこうなって…みたいにしてる)変な経済圏が生まれてる…」
下手に移動
「(跪いて)近藤君!親衛隊に…神宮寺繭親衛隊にやられたのか!?君は…神宮寺さんにエントリーせずに告白してしまったのか!?なんてことを…え?今なんて?地下室?」
舞台上手袖付近に移動
「(恐る恐る扉をあけて、すぐ閉める)学校の地下で…大量に蚕を飼育している!制服の正体は特殊な…特殊な糸だった!なんなんだ…神宮寺繭に会わなくちゃいけない…」
舞台上手前方に移動(ハンバーガーショップのところへ)
「中山君、店長いる?バイト始めたくて…」
舞台前方に移動
「…ねぇ。神宮寺繭のエントリー券…譲ってよ」
木琴BGM、F.O
L:全明転
-神宮寺繭と主人公-
「あ、僕、転校してきたクラスメイトの木之下です。告白…しにきたんじゃないんだけどいいかな?神宮寺さんと話したいんだ…最初みた時…神宮寺さん凄い大人っぽいなって思って、ってか、その、大人…だよね…神宮寺さん」
「何歳?あのさ17.18じゃないよね?二十歳超えてる?25くらい?もっと上?さ、さ…あー良い!わかった、大丈夫。言わなくて良い!そっか。学園が影響力を持ちすぎた君を何年も何年も留年させて、がんじがらめにしてきたんだ。君がいないと、この特殊な経済圏が失われる。卒業したくても出来なくなっちゃったんだ…」
「気がついたのは、僕が転校してきた時にさ、クラスの皆でカラオケいった時、他の皆は乃木坂とかあいみょんとか歌ってるのに、スピードとかJUDY AND MARY歌ってたから。世代が違うのかなって」
「…制服って、いつかは脱ぐものだと思うんだ。スーツなのか、エプロンなのか、わからないけど、次のなにかを纏ってその姿で輝いて、また脱いでって。その時その時の、神宮寺さんが着るべきものを着て生きいくものだとおもうんだよ。それだけ人気者になれたんだ!どこでも輝けるよ!私は…蚕なの?って何?」
「蚕は元々は飛べたけれど、綺麗な糸を出すために品種改良されて、飛べない…」
「神宮寺さんは…いや…繭さんは蚕でも蛾でもない!じゃあ何って…自由な学生だよ!人間だよ!飛べないなら走って逃げればいい!制服脱いで学校にいかなきゃ良い!」
「ごめん。もう、与えられた告白の時間終わりみたいだ。親衛隊がこっちみてる。いくね…」
少し歩いて
「また皆でカラオケ行こうね!」
暗転c.o