マンホールから発想するアブストラクトゲーム1
こんにちは。王手、毘沙門天と申します。
マンホールから発想するアブストラクトゲームとは「マンホールのグリッドや格子の性質を活かしてルールを構築する」というものです。
前回の記事のコンポーネントから考えるゲームシステムにも通ずる部分があります。
はじめに
日本マンホール蓋学会
日本全国のマンホールが掲載されているサイト、日本マンホール蓋学会さまからお好みのマンホールを見つけます。
日々、新しいマンホールが更新されるので暇を見つけては眺めています。
例えばこのようにダイヤモンドゲームを彷彿とさせるマンホールがあったり
六角形で構成されたマンホールもあります。六角形の駒を使ったアブストラクトゲームと言えばハイブ/Hiveを思い出します。
しかしこの構造だと、わざわざマンホールから着想を得る必要もないので他を探してみます。
雨水管マンホールの蓋。
ただの点々だと思ったら、六角形とテトラポットのような形の図形で構成されたマンホール。
マンホールとしても珍しく独自性を感じます。
この雨水管マンホールが実際どういう幾何学模様なのか詳しく知るために、撮影場所を頼りに現地を調査したところ、、、
ありました。安易な気持ちで出かけたせいで、見つけるのに1時間もかかりました。ブロックの色合いを頼りに探していると、なんだか探偵になったような気分でした。
このマンホールのグリッドを活かして、ゲームシステムを考えていきます。
ゲームシステムの構築
単純化
撮影したマンホールを見ながら、単純な図形に落とし込みます。シンプルな図形の組み合わせでマンホールのグリッドが構成されているのが分かります。
観察
マンホールからゲームシステムに使えそうな要素を見つけます。例えば、8つの穴だったり中央の桜のシンボルだったり。
それらをベースとなるグリッドに配置してみます。
次にグリッドに合う駒をデザインしていきます。
駒のデザイン1
駒は、ベースとなるグリッドに「はまる」駒を考えていきます。囲碁のように線と線の交点に駒を置く場合もありますが、今回はグリッドが複雑なので、視認しやすい方を選びました。
盤面を整えてシミュレーションしてみます。
この時点で黄色い部分は発電所で中央のダイヤは街のようなイメージをもっていました。
ルールとしては互いの駒が無くなるまで配置してより多く発電所と街を繋げたプレイヤーが勝ちといったものを想定してました。
赤色の駒が先攻としてプレイしてみました。
結果、赤のプレイヤーが1本繋げることができ、勝利しました。
感想として、かなり先攻が有利になってしまう気がしました。理由は1本繋いだら後はひたすら相手が繋がらないように防いでしまえばいいからです。
更に、盤面を活かせていません。駒の数にもよりますが部分的に収束しています。
盤面と駒のデザインを考え直します。
駒のデザイン2
囲碁やチェスのように、自分と相手が使う駒が別々になっているのではなく、互いの駒が干渉し合うようにデザインできないか考えます。
ベースとなるグリッドのデザインを見直し、配色し直してみました。
唯一、六角形の駒のみ意識的に分けました。
このような配色の駒を使うことで自分に有利な経路を構築しつつも、ふとした瞬間に、相手が有利になってしまう経路を作ってしまっているというような、リスクとリターンを生み出せないかと考えたためです。
それぞれ持ち駒は、4種類の合計13個にしました。持ち駒のバランスとしては自分に有利な駒を少なくしています。
盤面も中央のダイヤを無くし、部分から全体に広がることを狙っています。
仮のルールを決めます。
【勝利条件】
・3箇所の発電所を繋げた人が勝利
【細かいルール】
・隣り合う発電所は繋げれない
・一度置いた駒を動かすことはできない
・互いに持ち駒が全て無くなって3箇所繋げれなかった場合、繋がってる発電所の数が多いほうが勝利
シミュレーションしてみます。
後攻のGreenさんが勝利しました。
最初にデザインした駒よりハラハラ感があり、先攻後攻が勝敗にあまり関係ないデザインになったのではないかと思います。
盤面も中央のダイヤを無くしたことで意味のあるサイズ感になったのではないでしょうか。
このゲームのミソ
このゲームのミソは駒の配置によって相手の都合の良い戦況になる可能性があるところです。
相手の色のが自分の駒に含まれるているので、繋ぎたいけど相手が有利になってしまうかもしれないというリスクを感じながらも繋げないといけません。
しかし、六角形の駒で一気に経路を広げることもできるし、壁としても機能します。
いかに相手が有利にならないように繋げていくかが勝敗の鍵となります。
まとめ
かなり強引かもしれませんが、アブストラクトゲームを作りたい方やアイデアの発想方法として記事を書きました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからもボードゲームに関連する記事を書いていこうと思います。
おまけ
このアブストラクトゲームのゲームシステムについてもっと詰めれると思っています。
一度置いた駒を動かすことができるとか六角形の駒すら、配色を分けてみるなどの面白いかもしれません。