ラジオから学んだこと
映像のない世界。
報道歴11年のうち、
2年だけラジオを担当したことがあります。
僕が新入社員から報道局社会部の記者なって2年後、
人事異動になりました。
それがラジオ報道部です。
新しい部署は報道局と同じフロアにありましたが、
ラジオ局の部署ということもあり空気感が違いました。
報道は常に臨戦態勢でピリピリしていますが、
ラジオ報道は比較的ゆったりとした感じです。
ラジオ報道部では定時のニュースに加え、
夕方の情報報道番組を受け持っていました。
夕方4時から6時までの2時間生放送です。
この番組では、いま世の中で起きているニュースを
専門家を呼んで解説したり、
街に出かけて記者が取材したことをレポートしたり。
全国のニュースはもちろん、政治、経済、国際ネタなど
幅広いテーマを扱うことになりました。
報道記者の最初の2年は
警察と裁判の担当を1年ずつ担当し、
まさに事件記者として関西の事件ばかりを追っていた僕が
金融ビッグバンだとか、介護保険制度がスタートするとか
ありとあらゆるニュースを取り上げるようになったので
日々勉強に追われました。
そして、このラジオで培われたのが、表現力でした。
テレビとラジオの大きな違いは、映像がないことです。
テレビの場合、観たら一瞬でわかる情報が
ラジオだと状況をすべて言葉にして伝えなければなりません。
例えば、『桜が満開で花見シーズンを迎えた大阪城公園』。
テレビだと大阪城の天守閣と花見を楽しむ人々を
ワンカットでみせることですべての情報が
視聴者に一発で伝わります。
ところが、ラジオだとそうはいきません。
場所の情報、天候、桜の咲き具合、集まった人の属性など
詳細な情報を一つずつ言葉にしないと伝わりません。
例えば、
「青空が広がる観光名所・大阪城公園は
大阪屈指の桜の名所として知られ、
今年も3000本を超える桜の木が満開となりました。
天守閣を眺めながら花見ができる西の丸庭園は
今週末、多く花見客でにぎわっていました。
西の丸庭園にあるソメイヨシノを中心とした
300本の桜がピンク一色に染まり
昼頃には家族連れや観光客らおよそ100人が
レジャーシートを敷いて、
弁当を食べたりお酒を飲んだりと
思い思いの花見を楽しんでいました。
この日の気温は15度。少し肌寒いのかダウンジャケットを
着こんでいる女性もいました。」
という風に。
テレビだと10秒の情報量が
ラジオでは1分で話さなければならない感じです。
テレビ記者の時とは違って書くこと話すことが増えたので、
表現力や描写力を培ういい機会となりました。
これも外圧のプラス効果。
この経験があったからこそ、
のちにテレビの世界に戻った時に
映像の大切さを実感することになります。
(ぐぬぅ、きょうはオチがない・・・)
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