テレビマンの職業病
テレビマンは娯楽が楽しめない!?
ネタを探しています。毎日。
何か面白いことはないかと。
今はデジタルの勉強中ですので、
いろんなYouTubeを見たりしています。
しかし、職業病なのでしょう、普通に娯楽が楽しめません。
流行っているネット動画を一通りみて傾向を探ったりしますが、
編集点やテロップの出し方が気になったりします。
いまは芸能人がYouTubeに参入してきて、
テレビ業界のクリエイターも携わっていたりしますね。
クオリティが上がっているなぁと思うのですが、
どうしても製作サイドから映像を見てしまいます。
予算はどうなっているのだろう。
機材は何を使っているのだろう。
ロケ時間はどのくらいかかっているのだろう。
編集ソフトは何を使っているのだろう。
などなど、興味津々です。
そもそもテレビを作るようになってから
テレビの見方が変わりました。
テレビを10分間で見終わる方法
僕はどんな番組であっても10分で見終えます。
どうやるのか?
特番や新番組が始まると録画してチェック。
冒頭のアバン映像(番組のハイライト)と
最初のコーナーが終わるまでだいたい1.5倍速で見ます。
この作業で企画概要、MC、タレントキャスティング、
スタジオセットの雰囲気、ロケのテイスト、
編集のテンポなどを確認します。
テレビ番組は最初にアバン映像を流すことが多いので、
これを見たら企画の中身や一番面白いシーンなどがわかります。
MCは誰なのか、美術セットは何がテーマなのか、
ゲスト席の並びはどうなっているのかをチェックした後は、
5倍速で番組を流していきます。
ロケVTRのテイストなどが確認出来たら
冒頭15分くらいで切り上げて
最後のエンドロールまで飛びます。
エンドロールは逆にスロー再生します。
このエンドロールには番組のすべての情報が載っています。
演出は誰か、制作会社や編集スタジオ、美術会社はどこなのか、
放送作家、リサーチャー、ディレクター、
アシスタントプロデューサーなどもチェックします。
番組が面白かったら今度一緒に仕事をしてみよう、とか
このディレクターはこういうテイストのロケが得意なんだ、とか
完全に仕事目線で番組を観ます。
テレビを観ているときに笑うことなど稀で、
眉間にしわを寄せながらウォッチしていますw
テレビは仕事。そんな生活を25年送っています。
私生活でも職業病!?
職業病は時に私生活にも現れます。
かつて彼女とデートで映画を観にいった時のこと。
話題の恋愛映画で一番いいシーンが、
引き裂かれた恋人同士が再会するというシーンでした。
ロミオとジュリエットのような2人が
雨の中、傘を投げ出して抱き合うという場面を
泣ける音楽とともに
真俯瞰からギューンとズームアウトで
効果的に撮影していました。
感動的なシーンに観客からはすすり泣く声が。
もちろん彼女も感極まって映画に引き込まれていました。
そんな中、僕が真顔で呟いた一言が、こちら。
『これ、25メートルクレーン(で撮影)やな』
その瞬間、涙を浮かべていた横の彼女が
『ハァ?!信じられない!』という目で
僕を睨み付けていた表情はいまも忘れられません。。。