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読むPodcast「田中健士郎の働き方ラジオ」#72 人を動かす企画書の作り方(書籍紹介:企画力 田坂広志著)

こんにちは!「働き方ラジオ」準レギュラーのリサです。2020年8月放送の第1回から聞き続けるうちに情熱を持って働くということの解像度が上がり働き方と生き方が変わった一人です。

音声コンテンツはあまり聞かないけれど、文章なら読む方も多いのでは?
より多くの方々に「働き方ラジオ」を届けたい!そんな思いから文章発信を始めました。

ひっそりと一人で始めた「読む働き方ラジオ」、現在6名の編集室メンバーで制作を行っています。「働き方ラジオ」のファンが集まりました。お気に入りの放送回をメンバーそれぞれの文章スタイルで思いを込めてお伝えしていきます。

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ポイント1:企画は実行されてこそ意味がある

みなさんはクライアントに何かを提案する機会はありますか?

「企画をする」、「企画書を作る」とはどういうことかを知っていると、マーケティングやブランディングと同じくらい、あらゆる仕事で役に立ちます。

依頼されたことだけをこなすのもよいのですが、こちらから企画を提案してみるとクライアントとの信頼関係を強くできるかもしれません。

では、優れた企画とはどんなものだと思いますか?

それは、実行される企画です。

だから、「企画すること」と「実行すること」を一致させて考えなければいけない。
日本では分けて考えることが多いのですが、切り離してはいけないと田坂さんは言っています。

経営コンサルタントが企画をして、あとは御社でやってくださいと切り離してしまうと、結局企画が実行されないことがある。すると、せっかくの企画が、ただの紙切れになってしまいます。

田坂さんはコンサルタントとして企業に入り、実行まで支援されていたそうです。

アイディアを出すことはもちろん大事ですが、そのアイディアが実行されるまでしっかりとつなげることがさらに重要になってきます。

ポイント2:企業への企画提案は、担当者のさらに先の社内にいる人まで動かすことを考える

上司に何かを提案をする時、簡単にドキュメントにまとめたり、パワーポイントで企画書を作ったりすると思います。

「最高の企画書」とは一体どんなものだと思いますか?

田坂さんは、「最高の推理小説だ」と言っているんですね。思わず手に取り読み始めたら止まらなくなる。そして、ついつい最後まで読んでしまう。

僕はそんなふうに考えて企画書を作ったことはありませんでした。

思わず手に取って読み始めるためには、まずは表紙やタイトルで掴んでいくことが大事です。

ライターさんは十分その能力があると思います。例えば、タイトルで人を惹きつけて、冒頭の部分でこれを最後まで読みたいと思わせる。こういったライターの力というのは、企画書を作る時に十分役に立つのではないかなと、今回改めて思いました。

では一つ目のポイント、企画書は実行されて初めて企画の意味がある、この解像度をもう少し上げてみましょう。

企業への企画の提案において、担当者に対してきちんと説明をすることは大事ですが、さらにその先の社内にいる人まで動かすことを考えることが重要です。

良いプレゼンテーションをして企画が通ったとします。でも、社内に持ち帰ってその企画書が他の人に読まれた時、「進めるメリットはなさそうだ」と却下されてしまったら、企画書はただの紙切れになってしまう。

提案先の組織を変えるというところまで深く考えるのが大事なんですね。

「あー、そこまでは考えきれていなかったな」と思うことの一つでした。

ポイント3:企画書と計画書は違うことを認識する

最高の推理小説のように思わず手に取って、最初から最後まで読みたくなってしまう企画書は、どのように作るといいでしょうか?

まずは、企画書と計画書は違うことを認識するのが大切です。

計画書とは、何を行うのかをわかりやすく解説したものです。いつからいつまでに、こんなことをやります、というものです。

「多くの企画書が計画書になってしまっている」と、書いてありました。

僕もやっている気がします、計画を書くことに集中してしまうんですよね。

企画書では、「何を行うか」よりも、「なぜ行うか」をしっかり語らないといけない。

企画書の「企」は、「企み(たくらみ)」なんです。
その人が提案先の企業において、ぜひやってみたい企みをおもしろく魅力的に語ったものが企画書です。

企みを語る上で、大切なことが2つあります。

1つめは、「何を行うか」よりも、「なぜ行うか」を語ること。

2つめは、「ビジョン」を語ること。

その上で、相手を惹きつけるために重要なテクニックがあります。何だと思いますか?

自問自答スタイルで書くことです。

この辺りを踏まえて、具体例を交えながら解説していきます。

ポイント4:具体例で考えてみましょう

「働き方ラジオ」を聞いてくださっている方の中には、ライターさんも多いと思うので、以下のような具体例を簡単に作ってみました。

『ライターを抱えた企業に、教育パッケージの提案をする』

クラウドカレッジ(現みんなのカレッジ)の、BtoBの提案を想定してみました。
では、実際に自問自答スタイルで企画書の大きな流れを説明していきます。

まずは、ビジョンを伝える。
これからどのような変化が世の中に起きていくのかを話すのがビジョンです。

これから一体何が起きるのでしょうか?

オウンドメディアにおけるPV至上主義から読者中心主義への変換が起きます。

なぜそんなことが起きるのかというと、世の中に情報が溢れすぎてる中、読者のニーズはますます多様化しているからです。
マス広告、テレビ、大きなキュレーションメディアなどでこれから流行るものをみんなで消費する時代から、一人ひとりの欲しいものが多様化してきているのは顕著です。また、以前はGoogleのSEOにおいて、たくさんのキーワードを入れて記事をメディアに掲載することで、検索順位を上げることができました。現在はGoogleのアルゴリズムが変わり、キュレーションメディアに対する信頼も低下しています。
これまでのように、まとめ記事やより多くの人に刺さる記事でPVをたくさん稼ぐより、一人ひとりの読者にしっかりと共感してもらえるオウンドメディアを作っていかなければいけない、ということが起きてきます。

では、読者中心主義の市場では何をなすべきなのか?

1万人の目に触れるよりも100人のコアファンを増やすメディアへの変革が必要です。

具体的には、メディアにおいて思想やストーリーをしっかり伝えていくこと。それによって、ファンコミュニティを育成していくということが求められますよね。

いかに100人のコアファンを増やすメディアを作っていくのか?

 具体的な戦略
 1、ブランドライターの育成
 2、ファンコミュニティの運営

どうやってコミュニティを作っていくのか?

ブランドを伝えるライターを育てるための育成プログラムの紹介

最初にビジョンや目指すべき目標、その目標を達成するための戦略を示し、後半に実行することをもっていく。
この順番で資料を作ることにより、まるで推理小説を読むように引き込まれて企画書を読んでくれる。

いかがでしょうか?

このように考えていくと、タイトルやサブタイトルも、おのずと出てきます。

例えばタイトルは『PV至上主義から読者中心主義への転換』

サブタイトルは『思想やストーリーを伝えるブランドライター育成プログラム、およびコミュニティ育成の導入』

実際に提案したいことをタイトル、サブタイトルに入れて提案書を作っていきます。

自問自答することによって、相手を説得しながら読み進めてもらうことができるんですね。

ポイント5:企画書で一番重要なのは、問題を提起すること

「PVをとにかく追って、より多くの人に読まれるためにメディア運営をしていく時代がもう終わっているんじゃないか?」
「新しい考え方のメディアに転換するべきなんじゃないか?」

このような問題を提起することが、この企画書にとっては一番重要です。

問題提起がしっかりされていれば、実際に企画書を読んだ方は「まさにこれから時代が変わっていくよね。すごく気になっていたけど、何も手は打っていなかった。でも、この企画書を読んだことで、自分のモヤモヤが本当に問題であることが認識できた。この会社と一緒にコミュニティの育成をやってみよう、ブランドライターの育成に挑戦してみよう」と、感情が動いて、実際に企画書を受け取った担当者が会社の中の人や上司に説明する時にも、生きてくるというわけです。

「企画力」には、他にもいろいろと企画書作りのTipsが載っています。実際に企画書を作る時、非常に参考になる書籍だと思います。

人を動かす企画書の作り方を知ったところで、この機会に実際に企画書を書いてみてはいかがでしょうか?

例えば、クライアントさんに新しい提案をしてみる、あるいは参加しているコミュニティの中で新しい企画を作ってみる。提案されたみんなが納得して、「今やるべきだよね、やっていこう」と感情が動くこと、そして実際の実行につながるという視点を意識して、企画を作ることにぜひ挑戦してみてください。

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働き方ラジオを初めて知った方、聞いてみたくなった方もいるかもしれません。気になる方はこちらからどうぞ!声が伝えるパーソナリティの思いを受けとっていただけるのもうれしいなと思います。



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