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読むPodcast「田中健士郎の働き方ラジオ」#123 好きと働くを繋げること(ゲスト:ちょいちょい)第1回/全4回シリーズ

こんにちは!「働き方ラジオ」準レギュラーのリサです。2020年8月放送の第1回からすべて聞いているヘビーリスナーでもあります。聞き続けるうちに情熱を持って働くということの解像度が上がり働き方と生き方が変わった一人です。

音声コンテンツはあまり聞かないけれど文章なら読む方も多いのでは?
より多くの方々に「働き方ラジオ」を届けたい!という思いから文章発信を始めることにしました。

ひっそりと一人で始めた読む働き方ラジオ、現在の制作体制は5名の編集室メンバーで行っています。働き方ラジオファンが集まりました。それぞれが思い入れのある放送回をそれぞれの文章スタイルでお伝えしていきます。

今回は#123(2023年4月配信)を全4回のシリーズに分けてお届けします 。
それでは第1回/全4回シリーズのスタートです!

働き方ラジオの控室

田中:はい、ということでここは「働き方ラジオ」の控え室です。リサさん
はちょっと久しぶりですかね?

リサ:こんにちは!控室に登場するのは久しぶりですね。

田中:先週は農業法人アグレスの山浦さんとのドライブトークをお届けしました。 今日も引き続きゲスト回ですよ。最近はだいぶアクティブに配信できてるかなと思うんですけど。今日はフリーランスデザイナーのちょいちょいをお招きしています。リサさんもよく知っていますよね?

リサ:はい、よく知ってます。仲良くさせてもらっています。

田中:僕らの出会いのきっかけは法人COTEN CREWなんだよね。

リサ:うんうん。

田中:ちょいちょいはCOTEN RADIOでお馴染みの株式会社COTENのホームページを作っているデザイナーさん。
僕らはrebornが法人のサポーターになったことをきっかけにちょいちょいとつながった感じだね。で、法人COTEN CREW同士はタメ語なんだよね。

リサ:そう、だから普段はタメ語で話してるんだよね。

田中:今日は一瞬、この控え室を敬語で始めちゃったんだけど。

リサ:私たち二人もいつもはタメ語で話してるけど、この控室は普段は敬語だもんね、笑。

田中:うん、そうそう、笑。ゲストによっては、そのまま敬語でいくパターンもあるからね。今日はいつも通りタメ語でいこうか?

リサ:OK!

田中:こんな感じで、ゲストをお呼びしたいと思います。
それでは、タイトルコールから!

「好きとは信仰である」「言い続けることで、逆に好きになることもある」

田中: 働き方ラジオ始まります。このラジオは誰もが情熱を持って働く、それを実現するために働くということの解像度を上げていくPodcast番組になります。今日も働き方エバンジェリスト田中健士郎がみなさんの眠りを誘うゆったりとしたトーンでお話させていただきます。いつもお聞きいただきありがとうございます。
今日は、フリーランスデザイナーのちょいちょい(こうのななこさん)をお呼びしました。
いろいろな企業でデザインの仕事をしていたり、最近だと演劇の主宰、演出をやっていたり、クリエイターとして幅広く活躍中です。今日はよろしくお願いします。
つい最近まで海外に行っていたみたいだけど、どこに行ってきたんですか?

ちょいちょい: よろしくお願いします。3月にパラオに行って、イギリス、オランダ、ドイツを周って帰ってきました。

田中: めちゃくちゃ駆け回ってますね。

ちょいちょい: 2月の半ばに演劇の公演があったんですけど。

田中: そうそう、リサさんと一緒に行かせてもらいましたよ。

ちょいちょい: 7年ぶりに演劇をやって、終わってから旅ばっかりしてるから、最近はほぼ働いていない人みたいになっていて。なので、今日は「働き方ラジオ」に呼んでもらって大丈夫かなって今ちょっと思ってる。(笑) 

田中: そうなんだ。(笑) デザイナーと演劇って全然違うように感じるんだけど、演劇はどういうつながりでやっているの?

ちょいちょい: 大学のサークルで始めた。もともとバンドをやっていて曲を作っていたから、音響や曲作りをしたくてミュージカルサークルに入って。ミュージカルって楽しいなと思って今度は役者をやり始めて、そのうち演出も始めた。けっこうはまって、大学3年生の時に自分の劇団を作ったんだよね。 劇団の活動をする中で、演出や脚本の他に、全体のアートディレクションもやり始めたり、チラシのデザインも趣味でやったり。 大学4年生の頃には、お金をもらって他の団体のチラシやパンフレットを作るようになったの。趣味が仕事になった感じ。その時たまたま大学の授業でプロのデザイナーさんに会って「君ならプロのデザイナーになれるよ」って言ってもらったので、その言葉を信じてデザイナーになったって感じだね。

田中: デザイナーが先じゃなくて演劇やバンドが先で、その中の一つとしてアートディレクションみたいなことをやっていたのが仕事になったってことなんだ。

ちょいちょい: そうだね。自分としては、やってることはめちゃめちゃ一緒だなと思ってる。新卒の時はエンジニアをやっていたんだけど、コードを書くのも一緒だった。

田中: そうなんだー。

ちょいちょい: どれも伝えたいものや目指したいものがあって。 そのためにいかに構造をきれいにしていくか、伝えたいものの本質と作るものの構造をどう一致させていくか、みたいなことがほぼ一緒なんだ。特に、演出とグラフィックデザインはすごく近いから、やってることは本当に一緒だなーって思う。

田中: そういうことかあ。作るとか伝えることが好きっていう感じなのかな?

ちょいちょい: そうだね。視覚美術が比較的好きだから。抽象的な情報をどうやって見えるようにするか、美しく伝わるようにするか、みたいなことに興味があるんだよね。 デザイナーの分野的には情報設計や論理的な方に強みがあるから、視覚的にめっちゃきれいなものを作れるデザイナーに憧れて、そっちに近づきたいなって思いつつ、比較的論理性が生きるような仕事もやってる。

田中: 同じデザイナーでも、きれいに絵を描いて見た目で人の心を動かす人と、ロジックで整理して構造をちゃんと作って伝わりやすくする人がいて、利き手みたいなのが違ったりするんだ。

ちょいちょい:それで言うと、才能が違うなと思う。私はもともと論理思考がけっこう強い。だからパターン化するのはすごい得意だし、ある程度センスみたいなものもあった。でも、パターン化を超えたというか、なんかもう本当に死ぬほど美しいものを作れるとか、もともと絵が超好きとか、そういう人にはかなわないところはあるんだけどね。

田中: そうなんだ。

ちょいちょい: 「WILL CAN MUST」の話だとさ、好きであることってすごい強いなと思う。好きであり続けると伸びると思うんだ。だから、得意な分野で価値を発揮しつつ、好きな分野をいかに一点ずつ伸ばせるかみたいなことを仕事ではずっと考えてやってるかな。

田中: 働き方ラジオっぽい話が出てきたね。「好き」っていう感覚って意外とそう簡単に見つからない気がしていて。「WILL CAN MUST」で言うと「WILL」になるのかな、このラジオだと「ワクワク」「内発的動機」って言ったりするんだけど。
ちょいちょいにとって「好き」っていうのはどういうものになるの?

ちょいちょい: 難しいよね。私はすごい疑い深い性格というか、ものすごく頭で考えるタイプ。例えば、「私は青色を見てワクワクしました」みたいなことがあったとしてさ、「本当にワクワクしたんですか?」って脳みそに問われると、「本当かなあ?」って考えちゃって。証明できないじゃない。

田中: なるほど!

ちょいちょい: 自分の性質的に脳がどんどん自分に問うてくるから。信じられるものがすごい少ないんだよ。

田中: そうなんだ!純粋に「これいいな、好きだな」っていうものも「本当にそうかな?」って疑う、みたいな?

ちょいちょい: そう。「これ好きだな」って思いつつ、「本当に好きなのか?」って常に疑問を投げかけてくる自分と闘いながら生きてるんだよね。

田中: すごいね!COTENで言うとメタ認知みたいな。やっぱりCOTENメンバーにはそういう人が多いのかな?

ちょいちょい: 基本的には多いね。認知って曖昧だから、変わらない認知なんてないって思ってる人が多い。だからこそ何を好きかっていうことは、もう信仰に近いと思ってるのね。

田中: なるほど。

ちょいちょい: 私の場合は、たまたまモノづくりっていうことで、大学時代のバンド活動や演劇活動が自分のアイデンティティ的にかなり大きな影響を及ぼしてる。
「命を救われた」と言っても過言ではないんだよね。 もうその経験を信じないで何を信じるの?って感じじゃん。
脳は疑問を投げかけてくるけど、「この経験を信じなかったら、この世に信じるものはないよね」って思う。「私はモノづくりが好きである」って信仰してるって感じ。

田中: 「信仰かもしれない」と。「その時にめちゃくちゃ熱中して、夢中になったことは嘘じゃないし」って?

ちょいちょい: そうだね。だから「何を信仰できるか」みたいなことかなって思ってるかな。

田中: 「何を信仰できるか」かあ。脳が冷静に問うてきたとしても、「私はそれを好きなんだ」と信じられる。なるほど、深いね。

ちょいちょい: 自分だったら、モノづくりとか猫とかそういう次元でしかないからさ。猫とかも本当に愛してるから、疑いようのない信仰だよね。

田中: 信仰かあ。若い頃の経験で言うと俺もバンドをやっていて、人前で歌うのがすごく好きだったから、その影響で人前でしゃべるのっていくらでもできるし楽しい。
一人でベラベラと「働き方ラジオ」でしゃべってるのも好き、みたいなのはある。「本当に好きなのか?」って問い始めたら確かにきりがないけど、「ずっとそうだったから、好きなんだろうな」って信じてるところはあるかもしれないなあ。

ちょいちょい :  私が人生ですごく影響を受けた先輩が、何でも疑う人だったの。

田中: ある意味、ちょいちょいに近いというか?

ちょいちょい :  いや、私の100倍ぐらい疑う人。だからこそ私よりすごく深いなって思ってた。その人の彼女さんと私がすごく仲良かったんだけど「好きって言ってくれなくてつらい」みたいなことを言っててね。

田中 :  なるほどね。

ちょいちょい :  私から見ると、明らかに先輩は彼女さんのことは好きだったし、ちゃんと恋愛的な執着をしていたと思うんだよね。 さっきの信仰の話に近いっちゃ近いんだけど、この人のことを好きって言えなかったら何に対しても好きって言えないなと思って。
先輩は、もしかしたら彼自身の深さで好きってことをあえて明言しないことに誠実さがあったと思うんだよね。「本当に信じられないことは言わない」みたいな。

田中 :  なるほど。

ちょいちょい :  でも私は違うなと思ったし。彼女さんに「好き」っていうことが私にとっての誠実さだなと思った。私は、好きだと思ったものはなるべく口に出して好きだって全部言うんだよね。 だから信仰でもある。少しでも信じられるものは「好き」ってちゃんと言うことにしてる。

田中 :  あー、すごい大事かもしれないなあ、「好き」ってちゃんと言うこと。人に対しても仕事でも趣味でも何でもそうかもしれないね。

ちょいちょい :  好きな作品とかもどんどん人にしゃべるんだけど、むかし好きだった作品が好きじゃなくなる可能性もある。でも、やっぱり「好きだ、好きだ」って言い続けていたものって家族みたいな愛着があるっていうか、自分の人生を温かくしてくれる感じがあるんだよね。

田中 :  新しい気づきかもしれない。「好きっていうのは信仰である」「言い続けることで、逆に好きになるってこともある」って。もちろん疑うのも大事な時はあるかもしれないけれどね。もしかして、働く楽しさにもつながってるのかな。

ちょいちょい :  そうだね、そうかもしれない。

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第2回(全4回シリーズ)に続きます。お楽しみに!

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