その2本の線の間を塗りなさい
カナタが初めてブランコに乗ったのは3才の頃だったかしら、とアキラは思い出してみた。はしゃぎながらブランコに座るカナタを見てアキラは、その勢いで後ろに倒れて頭を打つのでは、とハラハラした。
だがカナタははしゃいではいるけれども慎重で、母のアキラがブランコに座るカナタの背中を押して初めて、それを前後に揺らし始めた。そのわりにはキャッキャッとはしゃぐので、アキラはその慎重な娘がやはり後ろに倒れるような気がしていた。
カナタは母からそうしたことを聞かされてももちろん覚えておらず、