白馬で本屋さんをセルフリノべでつくってみた(22) 下水工事は村の指定業者に

嫌な予感は的中します。
施工費は200万円近くかかるというのです。
もちろん、プロの方に普通の座組でお願いするのならばそれもありですが、今回は完全に丸投げするのではなく、DIYでコツコツ進めていく、その代わりとして施工費を多少なりとも安価にすませるとう目論見だったのですが、それが見事にはずれてしまいます。

無理を通すと結果うまくいきません。
今回は丁重にお礼をお伝えして、別をあたることにします。
牛浜くんだけの人脈を頼るのも限界があるのではないかと考え始めます。牛浜くんに限らず白馬村内のネットワークを関係者が駆使できるかと期待していたのですが、どうもそうもいかないようで、私が業者の開拓からする必要があるようです。

たまたま、工事にともない水道の契約の切り替えの必要があったために、白馬村の上下水道課にいく用事ができました。そこで、ついでに下水工事の業者の相談してみる事にしました。指定業者という制度があるのを初めて知ります、専門的な資格があるだけじゃダメだったのか、危なかった…
担当者の方は丁寧に指定業者がある理由を教えてくださいました。

指定業者がある理由
下水道は水だけでなく汚物もある為、各家庭から下水道処理場まで圧力をかけて汚水を流す事は出来ない。(給水、上水道は水圧を掛けて水を流し、各家庭の蛇口まで水を届けています)。そこで、どのように汚水を流すかと言うと、地中に埋める際に管に勾配 (角度) をつけて汚物を流すのだそう。
下水管の勾配は、一般的に汚水管で2%が基準とされています。(2%の勾配とは、1mで2cm、2mで4cm下がっていく勾配です)。この勾配がないと管の中に汚物が詰まってしまいます。逆に急勾配にすると汚水は素早く流れますが、汚物は汚水と同じには流れないので、やはり菅の中に詰まってしまします。また管が詰まると周辺の下水の排水にも影響を与えてしまいます。そういった2%の勾配をとる専門的な技術を要する工事のため、行政の方では上下水道に関して市区町村単位で指定業者を設定ているとの事でした。

40年前の施工業者とつながった
村役場からもらった、そのリストにある業者に電話をかたっぱしからかけてみる事にしました。
結果としては、電話をかけたのは一本だけですみました(すませました)。たまたま一発目に電話をかけた先が40年前に同じ場所の工事をしていた業者さんだったからです。
電話に出てきたのは、しゃがれ声を発する初老の男性でした。今回の工事の場所、施工をお願いしたい箇所をお話しをします。「あー、○○さんのところね、うち、40年前にそこに工事をしたんだよ。内容はわかったんだけどさ、ところで、あんた誰なの?」
僕(弊社)のこの工事への関わり方、発注主(支払い主)である事、普段は東京にいるのですが、、などと説明をします。

ちなみに今回のリノベでは、村ではみんなが知ってる元店舗の工事を外様である僕が「業者としてではなく」プロジェクトに関わって工事をしているという少し特殊な形だった為に、こういった説明をする必要のある機会がこれからも何度も出てくる事になりました。

さっそく、現調にきてもらいます。現れたのは電話口の向こうから受ける印象もそのままの、少し痩せこけたいかにも職人といった風情の社長さんでした。※今後この方はコメダさんと呼ぶ事にいたします。ちなみにコメダの名前にはまったく意味はなくて、この原稿を執筆しているのがコメダ珈琲だからです。
すでに良い年になってるこのコメダさんに工事が可能なのか、揉める事はないのか不安が頭をよぎりますが、さすがに40年前に工事をされていただけの事はあって、そうだそうだ、ここにあれがあったな、なんて下水管の埋設場所なども遠い記憶を掘り返して現調していく姿にこれは大丈夫かもという気になってきます。
今回の工事に至る背景などをお伝えして、東京に本拠がある立場だが支払いもしっかりする事などもお伝えして、工事の見積もりをお願いできないかを相談します。工事業者を探すのに苦労していた私としても必死です。はじめはどこの馬の骨ともわからない人間からの相談に厳しい顔をしてましたが、OKをもらいます。
見積もり金額は牛浜くんの先輩がだしてきた金額よりも安い、160万円前後でした。
コメダ設備さんにはその後他の工事もお願いする事になり、Re:Publicの完成まで長いお付き合うをする事になりました。



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