目玉焼き
最初は君も一緒に笑ってくれてたんだ
君のも私のも目玉焼きが潰れちゃっても
味付けが塩辛すぎても
形が葉っぱの形みたいになっても
私が一生懸命焼いた目玉焼きだからおいしいよっていうから
毎日焼いたよ
私も目玉焼きを焼くのが楽しくなってきた
だんだん上手くなったよ
何をやってもへたっぴな私だけど
目玉焼きだけ、まん丸に焼けるようになったよ
もう破れなく焼けるようになったよ
今日も綺麗な目玉焼きだよって笑いかけても
もう笑わなくなった君と目玉焼きを食べる
塩加減だってバツグンだね
でも君はもう私と目を合わせない
すごく美味しそうな目玉焼きを一口で食べてしまう
口の中に綺麗に入るくらい丁寧に焼かれた目玉焼きを食べてしまう
汚い目玉焼きの方が美味しかったかもしれないね
田中そう子
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