ボブ・マーリーのオススメ曲と、世界中がその歌に救われる理由
ボブ・マーリー初体験は中学生の頃。バッファローソルジャーという曲を聴きました。しかしそのタイミングではまだ良さが分からず、ハマりませんでした。
もしかすると多くの人は、レゲエにハマるということは無いのかもしれません。だけど私に、それは突然やってきました。いきなりガッツーンと彼の曲が入ってきて、とにかく「スゲェ!」と感動したのを覚えています。
魅力を少しずつ理解できたのは、英語をかじる程度に勉強していたとき(ニュージーランドにワーキングホリデーで滞在していた当時19歳)でした。そこでこの文章では、ボブ・マーリーの歌詞に惚れた私がオススメする、レゲエがなんとなく苦手な人にも聴きやすい楽曲をご紹介します。
Three Little Birds
Don't worry about a thing,
大丈夫 なにも心配しないで
'Cause every little thing's gonna be alright.
だってどんなに小さなことでもうまくいくから
Three Little Birdsはこのフレーズで始まり、三羽の小鳥が「大丈夫、心配ないよ」と歌っているという内容になっています。優しくポジティブなメロディに感動している中、楽曲はさらにこう歌うんです。
"This is my message to you"
「これは私からあなたへのメッセージだ」
もう、「マジかー」って感じで涙しました。実際は曲中の「自分」、つまりマーリー自身が小鳥から受け取るメッセージだったんですが、完全に私が受け取ってしまいました。
なんにしろ私がひどく心を打たれたのは、この楽曲の持つ「優しさ」と「強さ」の二面性でした。それは黒人差別が激しかった時代にこんなにも優しいメロディで、同時に強さを感じさせるボブマーリー特有のものだと思います。
One Drop
Feel it in the one drop
ひとしずくの中の思いを感じておくれ
Well, I still find time to rap
まだ間に合うから
ワンドロップは、この楽曲がリリースされた時代に開発されたレゲエ特有のリズムの一つです。その時代背景が以下の歌詞から読み取れます。
They made their world so hard
彼らがこの生きづらい世界を作った
Every day the people are dying
毎日、人々は死んでいっている
It dread, dread for hunger and starvation
飢餓と困窮の中で絶望がまん延している
貧困層に絶望がまん延するそんな世界で、このドラムビート「ワンドロップ」を感じてくれというのです。「音のしずくで権力へ反発する」という、めちゃくちゃピースフルな方法で世界を変えようとしたんだと思います。
※当時日本版でリリースされた盤面ではまた別の解釈で翻訳されています。
Lively Up Yourself
Lively up yourself Don't be no drag.
元気だせよ、うじうじしてたら最悪だよ。
Lively up yourself Cause reggae is another bag.
元気だせよ、だってレゲエはこんなにいかしてる!!
落ち込んだときは、Lively Up Yourself おすすめです。
私の友達のジャマイカ人はいつもエネルギーに満ちていました。とにかく私に元気がないと、「Livery Up!(元気出して行こう)」と励ましてくれました。
ジャマイカでは男はエネルギッシュで強くポジティブであるべきだ。と考えられているそうです。その真意は様々ある気がしますが、元気に越したことはない。ということです。
最後に...
ボブ・マーリーのすごいところは、レゲエという音楽を世界に広めたことです。ジャマイカというひとつの島の音楽が、今では世界でひとつのジャンルとして確立しているのです。
ボブ・マーリーの楽曲には、権利を虐げられた黒人へのメッセージが背景にありますが、そのメッセージは黒人だけでなく世界中の人々の心に響いたのだと思います。
マーリーは楽曲「Redemption Song」で、こう歌います。
Won't you help to sing, these songs of freedom
一緒に歌ってくれないか、この自由の歌を
Cause all I ever had, redemption songs
なぜなら俺が今まで歌ってきたのはすべて救いの歌だ
Redemption songs
救いの歌だけなんだ
彼のこれまでの曲は「救いの歌」なんです。これを聴いたときは「そりゃ救われるわ。」と自分の受けた感動になぜか妙に納得感がありました。
ドキュメンタリーでは、ボブマーリーが「新曲ができた」と言ってバンドメンバーの前でこの曲を一人で弾き語るんです。確か。うる覚えですみません。
とりあえず最後に、その空気感を感じられるリンクを貼って終わります。