できなくていじけて、すねて投げ捨てた。 おもちゃは壊れてしまった。 心の中にはしょぼくれた自分がいて、思い通りにいかず泣いている。 利口で意地悪な誰かが作った人生。 いつの日か解けて答えがわかるように。 いじめられても帰りの道で、傷つけてしまったかと心を痛める。 泣き顔を隠してもお腹が減って、それどころじゃなくて走って帰った。 眠れなくて訪れた朝に焦って、寝たふりして寝たつもりになる。 寝不足自慢もたまにはごまかし、本当はそのせいで体調が悪い。 健康で健全な多
どこで何に囲まれ何をして生きているかなんて関係ない 物はいつも物でしかなく、仕事はいつも収入の手段でしかない 猫が猫を追いかけて走っている お腹が減るからあまり走るんじゃないよ お腹が減れば食べる為に、新しい悲しみを一つ以上作らなければいけないのだから でも同時に 体を通過していくものを感じる 目や口や鼻や耳から 君は頭にとどまっていて 物なんてどうでもいいんだ どこで何に囲まれていたって関係ないんだ 体を通過して流れて行き最後には それが残る
自分の人生の、その暮らしを僅かでも彩る為に 、人に会う。支度をして出かける。 歩き向かうその途中で、生命を全うするその途中で、あっけなく終わらせられた小さな虫の死骸を見つけた。 この命を輝かせる為に。 ただ一つだけを救う為に。 途中で終わらせられるいくつもの存在を犠牲にして立っている。 いったい俺は何がしたいのか。 いったい人は何がしたいのか。 笑顔が消えたその人の笑顔を取り戻すために、救えない悲しみを量産して金に姿を変えた。 たらふく食べて食い残しの残飯を、
言わなかったことは言えなかったこと あなたがいつか僕を忘れるなら それでおさまると思っていた 言わなかったことは言わなかったこと お墓まで持っていくと決めた だからずっと言わなかったこと 知らないままの方が良かったと思うことがたくさんあるから この気持ちさえ言わずにいれば、その方がいいと思っていたよ あなたが知らない事柄が僕にはたくさんあって どこで何をして生きていたか、この先もずっと知らないままでしょう あの時のあなたを見送っていたこと、その後ろ姿を知っているのは
電球が一つ切れたことをきっかけに、家中の電球が一つ一つ切れていく。 たくさん常備品として買っておいたもの達がなくなっていく。 まるで君がいなくなったことを知ったかのように。 僕は明日も同じように、君がいない暮らしの中で2人分の買い物をして、3人分のご飯を作るだろう。 ほどけて離れた糸をたぐりよせてみると、その先に結ばれていたのは鍵だった。 あの日君が持っていた鍵。 諦めて閉じた扉を開ける為の鍵。 君がいなくなってからずっと、探し求めていた鍵。 それは2人で開け
私の母親と瓜二つだった樹木希林さん。生前に残していた言葉をここに置いておきます。 「ものにはやっぱり表と裏があって、どんな不幸なことに出合っても、どっかに灯りが見えるもんだと思うんです。 もちろん幸せがずっと続くものでもないから、何か自分で行き詰まった時に、どうぞ その行き詰まった場所だけ見ないで。 ちょっと後ろ側から見てみると言う、そのゆとりさえあればそんなに人生、捨てたもんじゃないな、と言うふうに今頃になって思ってますので、どうぞ物事を面白く受け取って 愉快に生きて
全てを破り捨ててゴミ箱に捨て、なかったものと思おう。 でもまた一つ一つ取り出して、つぎはぎをテープで留めた。 くしゃくしゃになったシワを丁寧に伸ばし、それを壁に貼り付けた。 そしてそこに新たに「ありがとう」と書き足してみる。 その紙を遠くから見てみると、つぎはぎが道になり、何かの地図になっている。 何かの地図になっていた。 あぁ、そこにあったのか。
試しに買った新しい味 口に合わなくて食べ残し捨てた 並んだ写真から誰を選ぶ あなたは僕のタイプじゃないな 選んでは捨てていく これは好み でもこっちは違う 顔も声も頭の中も 僕は僕が全くタイプじゃないんだ この存在が全くタイプじゃないんだ だけどね なんでだろ 君が僕を見て 笑ってるんだ 僕の大好きな君のタイプが僕なら 僕は僕がタイプだ 僕の大嫌いな僕がタイプな君が 僕は誰よりタイプだ つまり僕は君がタイプだ
今日あったくだらない出来事。 家に帰ったら君に話そう。 閉店しちゃったあのお店の跡地、新しく開店するのはラーメン屋さんだってよ。 交差点で信号待ちの君を見つけたけど、 君は気づかずにすれ違っていった事も話そう。 電池がきれていたから買わなくちゃ。 洗剤ももう少ないから詰め替えの洗剤を買わないと。 そう言えばキッチンのライトも切れていた。 いつ買いに行こうか。 次の休みはいつかな。 前日、待ち合わせできるかな。 買い物の後にカラオケにでも行きたいな。 日常に君がいて
突然、嫌いな臭いが鼻をつく。 駅前を通り過ぎていた時、やめていたタバコに火をつける君の姿を思い出した。 やめておけばよかったと悔やんでも、それは後の祭り。 あの日からずっと始まらない。 今日も雨。 目の前を流れて行ってしまう。 時間に追いつかずに歳をとってしまう。 汚れたシミは黒く腐って、古くなった姿を見て流れずにとどまった。 体が重くて元気がない。 目が覚めても横になって、乾かない心をぶら下げたまま、いつまでもうらめしい。 癖になるかい、この生乾き臭。
すれ違う人が歩きタバコをしていて、病気になって死ねと思った。 体にまとわりついた煙と、まとわりついた嫌なもの。 早く払い落としたくて、全力で走って帰る。 片手にぶら下げているのは、塩化ビニールの袋に入った魂。誰かしらの魂。いや、ただの魚の魂。 その横をクラクションを鳴らしながら走っていく車あり。 猛スピードで走るその車に、轢かれたのは轢かれて当然の人だ。 そう、僕だと見間違う人。 今夜も食べたくもないご飯を奮発した。 まぁ、そのまま捨ててもいいさ別に。 明日
今まで出会った人達全員、特に好きでもない。 むしろ嫌いな気持ちの方が成分として多いだろう。 ささいな出来事などはもちろん覚えてない。 残っている記憶からの印象、それ以外の何でもない。 ただそれだけでしかなく、もれなくみんな嫌いだ。 今、誰かに会える事ができるとするならば、いったい誰だろうか。 迷いもなく答えるその人物は、祖母と母親。 他に会いたい人など誰一人としていない。 こんな、自分嫌いな自分を生んでくれた。 最初で最後、何も知らない人間を育ててくれた。 物
朝ごはんをちゃんととってから、ビルから飛び降りる 目を瞑ったら怖くはない って、早々に布団につまずく この高さなら即死かな って、そんな気もないだろ 鳥人間になれたならな って、それもどうなのよ 鳥人間なんて気持ち悪いだろ 朝食をきちんととってから、高層ビルにのぼり飛び降りる 目を瞑ってれば怖くはない って、布団の高さにさえつまずく 大声で愛を叫んでみた 君は振り向いて高笑い たわ言集めて歌にして、ミュートされて時間軸で泳ぐ 幼稚すぎて、愚かすぎて、こんな
結局、自分の苦しみや悲しみは自分でしか治せない 自然治癒 免疫力 でも自分じゃなきゃ癒せないなんて本当は思っていない 完全には癒すことはできないかもしれないけど、いや、完全に癒すことなんてずっとできないけれど、誰かにふと癒してもらうこともある それが僕にとっては君で、君にとっては僕でありたい とても陳腐な思考だな でもいい 目が冴えて行く このまま眠れずに 朝になるその前にツイートは消した 拡散と共感 理解と同情 生き恥晒したら少しは癒えましたか? 部屋
目が覚めたけれど、なにもさめていない 口癖、思い出して一人で笑った くたびれた顔にヨレヨレの洋服 あなたがいないから、一人で泣いてた 口ずさんでみた、あの時の歌 あなたが見てた景色 こんなにも今、はっきりとほら 聴こえてくるのはあなたの歌 踏み潰していた心を、蹴飛ばしていた想いを あわててまわして、施錠した優しさは あなたが歌ってたあの歌を歌うことで あなたが見ていた景色を見ることができるかな 頭の中で広げた小さな白い紙 あなたの心の中で歪んでいくあの日の僕ら
ただの、ここ、2、3日の自分の近況報告になります。 ※途中、「裸眼」と発言していますが、「乱視」の間違いです。