高校生とプロは試合しない方がいいワケ
天皇杯の組み合わせが決まった後にこんな投票ツイートをしたのですが、
まず246の票数に驚きました!投票してくださり本当にありがとうございます。
結果は約90%の人が「高校生とプロの試合はアリ」とお答えいただきました。この結果は「高校最強の福岡第一がプロ最強の千葉ジェッツと試合したらどうなるんだろう」とか「河村選手が富樫選手相手にどんなプレーをするんだろう」という期待の表れだと思います。
ただ初っ端から否定で申し訳ないのですが、僕は「高校生とプロの試合はナシ」だと思っています。
それは昨年度の天皇杯「福岡第一vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」の試合を見ていただくとわかるんですけど…(下記リンクから見れます。謎に3Qからですが。)
●プロにとってデメリットしかない!
この試合で名古屋の選手がハツラツとプレーできていないのがわかりますかね?
それはそうですよね。どんなプレーしても悪役にしかならないからです。
一生懸命プレーして高校生をボコボコにやっつけたとしても高校バスケファンから嫌われ、手を抜いた試合をすれば名古屋ファンから嫌われ、そんな試合のモチベーションが上がるわけないんですよ。
もし仮に、そんな試合を初めてバスケ観戦しに来た人がいたらどう思いますかね?「あ、バスケってこんなもんなんだ」と、リピートすることはないでしょうね。バスケの価値が下がった瞬間です。
スポーツは、ある程度の平等性の上で初めてエンタメとして成立するもの。絶対的な差がある場合、観客が熱狂するようなコンテンツにはなり得ないんですよ。
●肉体的にも危険がある
高校生で200cm100kgの選手っていますかね?
Bリーグだと大体のチームには在籍していると思います。ここの差は本当に大きいです。高校生は「プロの接触に対する慣れ」がないんですよ。
バスケは対人スポーツです。走りやジャンプに加えて、接触が多く生まれるスポーツです。この接触がプロと高校生では大きく違います。
僕の経験談ですが、大学生の時プロチームと練習試合させてもらうことがありました。僕は当時センター(190cmないのに…)だったので、プロチームの外国人選手とマッチアップしてました。リバウンドとかポストプレーとかひいひい言いながら守っていました。笑
そうすると、試合後の疲労感が、日頃の練習や大学生との試合では到底達しないレベルだったんですよね。すごかったです。これって日頃200cm100kgの人と体を接触することに慣れてないから感じる疲労感なんですよね。(感じること自体も早々ありませんが…)
この慣れがない状態で試合することが危険だと思います。
練習試合ならまだいいです。監督など大人で疲労をコントロールできるので。ただ公式戦となると勝敗がかかっています。お客さんも見てて緊張感もあります。公式戦なので試合時間を短くすることもできません。公式戦はコントロールできない要素が増えるんです。
この条件下、かつ慣れがない状態でやったら高校生が怪我をしてしまってもおかしくないでしょう。
●全てを否定するわけじゃない。
高校生は、プロと試合して通用したことは大きな自信につながると思います。現に先ほどの動画にも出ていた福岡第一は、その後のウィンターカップで優勝していますからね。この天皇杯の試合が結果に繋がったことは間違いないです。
また日頃見れない対戦で、興味を持って試合を見に来る方もいると思います。注目度は高くなるでしょうね。
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いかがでしたでしょうか。選手目線で見たときに、公式戦でプロと高校生の試合はデメリットが多いことがわかっていただけたかと思います。
今回福岡第一はB3の鹿児島を破っての出場なので実力的には正しいのですが、長い目で見たときに本当にこのやり方が正しいのか、考えていく必要があると思います。
以上、選手の独り言でした。
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