ブザービーター:時間の縛りから生まれるバスケの魅力
皆さんが思うバスケの一番の魅力あるプレーって何ですか??
ずば抜けた身体能力から繰り出されるダンクシュート??はたまた、背中に目がついてるでしょって思うくらい華麗なアシストパス??
いやいや。バスケの最も魅力あるプレーは「ブザービーター」です。
バスケって時間の縛りが特に強いスポーツです。
ルールで見ると、ヴァイオレーションだけでも3秒・5秒・8秒・24秒とあります。他にも、タイムアウトは1分、ハーフタイムは10分、試合時間は合計40分と、全て時間という枠組みでくくられるスポーツです。
選手はこの時間を常に頭に入れながらプレーしています。ショットクロックの残り時間やクォーターの残り時間など。今日の審判ならこれくらいゴール下にいても3秒は取られないだろうとかズル賢いことも考えてます。(戦略ですよ。)
この考えはどんなチームでも、日本の小学生からアメリカ代表まで全員が考えることです。いわゆるタイムマネジメントってやつです。
そしてそのタイムマネジメントで一番難しい選択を迫られるのが、試合の一番最後。
大差ついた試合はまた別ですが、競った試合はめちゃくちゃ大変。攻守が切り替わるたびに選択をしないといけません。(競った試合の終盤でタイムアウトが増えるのは、都度変わる選択を監督が選手にきちんと伝えるためです。)
これが上手くいったのが7/6(土)の東京海上日動戦。
4Q残り2分を切っても5点差以上あるなかで、ようやく残り1分で相手からスティールからレイアップして追いついた!と思った、その直後の相手オフェンスでシュートを決められ、残り数秒で2点ビハインド。
タイムアウトでセットプレーを決め、この選手に打たせると監督から指示されました。自分はベンチだったので、決まることをただただ祈るばかり。
審判からボールをもらい、チームメイトが動き出す。指示通りスクリーンをかけ、予定通りの選手にパス。
自分はこの時ベンチから見てて「これシュート打つタイミングじゃないな…」と内心思っていました。ところがどっこい、その選手が打ったからびっくり。
綺麗な弧を描いた3Pシュート。ボールが空中に浮いてる時間ってこんな長かったっけ…?
そんな時間は、最大の興奮と不安に包まれて、普通のシュートの3倍くらい宙に浮いてるように感じられました。
そして直後の、興奮、興奮、興奮。
試合出てないのに、一気に全身を巡る安堵感と興奮はものすごい中毒性があります。
なんとなくブザービーターの魅力伝わりましたかね?難しい選択の中で、成功すると観ててもどハマりするよってことです。
もっとわかりやすく知りたいって人もいそうなので、こんな動画をオススメします。
いやあ、改めて見ても鳥肌が立ちます。(動画最初のシュートがブザービーターだって思いましたよね?笑)
これはNBAの2004年(もう15年前!)カンファレンス・セミファイナルの第5戦。Bリーグでいうとプレイオフのクォーターファイナル相当でしょうか。
人間ってこんな早くシュート打てるんですね。しかも動画のサムネイルになってるような無茶苦茶な体制で。
これ試合見てる人はハラハラドキドキが止まんないですよね。絶対病みつきになる。(決めたのはアウェーのレイカーズなので、ホームのスパーズファンはある意味忘れられない試合でしょうが。笑)
こんな感じで限られた時間だからこそ生まれるバスケの魅力にも注目してくれるとありがたいです。
以上、選手の独り言でした。