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MALの工場見学へ!

田中眼鏡 福井店 店長の原です。

眼鏡の生産が鯖江ではじまって以来、ずっと作り続けられているシンプルなかたちであり、小さな工場でひとつひとつ丁寧に作られた眼鏡。
”MAL”
洗練されたデザインとサンプラチナの柔らかい光沢が特徴の丸眼鏡。
1ヵ月1000枚以下という少量生産・全て手作業で作られ省エネルギーで無駄の少ない昔ながらの製法で作られていおります。

そんな”MAL”がうまれる瞬間を見せていただきました!

MALのフレーム製造を手掛けるのは坂本利一さん。
お父様から眼鏡作りを学び、半世紀以上昔ながらのアナログな製法で眼鏡作りを続けられております。

MALのフレームはサンプラチナといわれる合金で作られているフレームです。
そのサンプラチナについてまずはご紹介いたします。

サンプラチナの眼鏡について
福井・鯖江産地ではかつて高級眼鏡フレームとしてサンプラチナフレームが製造され、産地をけん引していました。
(かつては昭和天皇も愛用していたといわれています)
昭和40~50年代サンプラチナは高級素材のため、偽物も多く出回りました。
そのためサンプラチナを扱える製造業者は、材料問屋より許可が必要で認可が下りた製造業者には、その証として「SPM」の刻印を渡しました。
そのためサンプラチナのメガネ、サングラスには「SPM」の刻印が押されています。
もちろん、MALのフレームにも「SPM」の刻印が押されています!

サンプラチナの特徴
・ メッキなどの表面処理をしなくても、柔らかい質感と白金色のような輝き
・昭和初期に日本で開発された合金(ニッケル85%、クロム11%、銀3%、その他1%を含む白金色合金)身体との親和性に優れ、耐食性にも優れている。
・経年劣化が少なく、長時間使用しても色褪せない。

昭和初期に高級素材として一時代を築いたものの、今はチタンに取って替わられほとんど使われておりません。
そのため、今ではサンプラチナを加工できる工場は10軒程しかなくなってしまったそうです。
そんな、今では珍しいサンプラチナのメガネはすごくアナログな製造方法で作られていました!

メガネ作りの工程
・溝線をリムの寸法に合わせてカットする
 
・リムの形に丸める

型板の形に合わせ、溝線を巻いていく
・ブリッジを作る
 2.5ミリの丸線を平らに伸ばし、裁断

ヤットコで挟み曲げる。
さらに傾斜をつける。

・ロウ付け

足元のスイッチで通電、ロウ付けで各パーツを繋げる。

・磨き

パーツに合わせてバフの種類を変えながら磨いていく。
この工程でサンプラチナの光沢が現れる。
職人によって使用するバフは異なるが、坂本さんはお父様から受け継いだ方法で今も続けられている。
バフがけが綺麗に出来るまで10年程かかったそうだ。

簡単に書きましたが、1枚の眼鏡を仕上げるのに100以上の工程があります。
他、今回見せていただいたパーツ・工程の紹介です。

テンプルの端を潰す
テンプルにネジ穴をあける
智は左右同時に作り、縦横に割る

今回すべてを見せていただくには時間が足りませんでしたが、どの工程もすごくアナログで技術を要する作業ばかりだったのが驚きでした。
そして、この作業をご夫婦でされているというのは本当に大変だと思います。

坂本さんは
「使っている人の声を聞く機会はないけれど、永く使ってくれたら嬉しい。」
と仰り、
お客様が求めていることがすべて、喜んでいただける出来になるように日々成長しかない。と、
時代に合わせた要望に応えられるよう、今もなお技術を磨いています。

モノが使い捨てになっている時代、メガネはそうあってほしくないと私も思っています。
メガネを通し、そんな職人さんたちの情熱や、製造のストーリーも
”めがねのまちさばえ”にある『田中眼鏡』で伝えていこうと思います。

貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました!


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