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忘れろ、なんて無理だから

夜、布団に入って天井を見上げているときに、昔言われたあれこれを思い出して、なんだかひどく落ち込んでしまった。

昔言われたマイナスな言葉は、噛み砕いて自分のエネルギーにしているから逆に燃えるタイプ。だけど、たまに思い出して心が苦しくなるときがある。

言葉の呪いはエネルギーにするんだ、むしろ言ってもらえてありがたいわ、とぐるぐる変換して考えるけれど、やっぱり思い出すたびにしんどいね。




言葉以外に、人からされたこととか、理不尽な経験とか、生きているといろんなことがある。

そのいろんなことを、「日にち薬だから」「早く忘れよう」と言われても私には無理だ。

何回も何回も「忘れよう、忘れよう」と思っても、心にざっくりとあいた穴はそう簡単には埋まらない。少しずつ記憶は薄れていくかもしれないけれど、完全には消えない。

部屋にひとりでいるときとか、夜の帰り道とか、似ている人を見かけたときとか、薄れていた記憶を呼び起こすのは一瞬で、その瞬間呼吸が荒くなる。

多分、これはもう一生続くな。



「日にち薬だから」なんて言葉、私は簡単には言えない。

辛いことや悲しいことがあったら、まずはちゃんと生活ができるように手伝って、見守って、声をかけ続けることが大切だと思う。

「早く忘れようね」なんて励ましは、いらない。

そんな簡単なことじゃないんだよ。絶対に忘れることなんてできないから。

いくら心に蓋をして、何かに打ち込んでいても、ふとした瞬間にフラッシュバックしちゃうから。




「忘れろ」なんて簡単じゃないからこそ、私は無理に忘れなくていいと思う。

記憶の片隅にあるうえで、自分が生きやすいように試行錯誤していこう。あなたの人生はずっとずっと続くから。

マイナスな感情が行ったり来たりしてしんどくなっていたんだけど、こうやってnoteに書いたらだいぶ元気になってきた。note始めててよかったな。

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田中青紗(たなか あさ)
最後まで読んでいただきありがとうございます!短編小説、エッセイを主に書いています。また遊びにきてください♪