TEAM AS ONE
昨年、ラグビーW杯での日本代表の大躍進もあり「ONE TEAM」という言葉は2019年を象徴する言葉になった。
スポーツの力で、みんながひとつのチームに。心をひとつに。
2011年3月29日
「TEAM AS ONE」のスローガンのもとにサッカーファンの心がひとつになった日があった。
まだ震災から半月も経っておらず、各所で爪痕も生々しいなかではあったが、大阪・長居陸上競技場で開催された「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」
開催に至った舞台裏などはこちらに詳しい。
そして、もはや伝説になる(なった)であろうカズ選手のゴール
こんなに力強い、ひとを勇気づけるゴールを僕はほかに知らない。
カズ選手のガッツポーズを見ると今でも涙がこぼれる。
僕自身、この数日前に直接被災地入りしてきたばかりだった。
東京に戻ってきて、ほとんど変わらない日常を送れてるそのあまりのギャップに呆然したのを鮮明に覚えている。
まだサッカーの試合なんて早いじゃないか、もっとやるべきことがあるのでは、と思いながらなんとなく眺めていたTVから目に飛び込んできたのはカズ選手のゴール。それが答えだと思った。
今日の試合、スタンドには山形や仙台のサポーターの横断幕があった。 「俺たちの絆は途切れない また一緒にサッカーを楽しもう」という横断幕もあった。試合後にはYou'll Never Walk Aloneが歌われた。 開催の是非を問う声も合ったが、これが答えだと信じている。
— 田中毅 (タケルさん)5inc.COO (@Redworks_) March 29, 2011
前述の宇都宮徹壱さんによるSportsNaviの記事はこう締めくくられている。
後半37分のカズの得点は、公式記録に記載されることはない。それでも彼のゴールは、この未曽有の災厄に対してサッカー界が、ひいてはスポーツ界全体が、毅然として立ち向かう号砲となったことだけは間違いない。そう、私は確信している。
あれから9年、おりしもコロナウイルスによって、Jリーグをはじめとしたスポーツ界ものきなみ自粛・延期を余儀なくされている。
再開の目処は経っていない。そんな中で、Jリーグと日本野球機構の連名で提言が発表された。
たとえ試合が出来なくとも、やれることはある、一緒に戦おう。
僕はそういうメッセージだと受け取っている。
あのとき震災に打ちひしがれた人々を勇気づけるゴールがあったように、
再びスポーツの力が災禍から立ち上がるための拠り所になるように。
ウイルスとの戦いには、被災地も被災地以外もない。
目に見えない脅威に耐えながら、それでもスポーツの力で、新たな「号砲」が打ち鳴らされるのをみんな待ちわびている。
その時はともにチャントを高らかに歌おう。
今日はここまで。
それでは、またあした。