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自分紹介
人生において、「自己紹介」というものは何度経験しても、毎回まるで初めて宇宙人に遭遇するような緊張感があるものです。
いや、むしろ、自己紹介とは人生という巨大なスーパーマーケットの試食コーナーのようなものかもしれません。
ほんの一口かじっただけで、「この人間、こんな味か」と相手に判断されてしまうのです。
しかも、相手が味音痴なら、もう悲劇ですよ。
「このチョコレート味、ちょっとピザっぽくない?」なんて言われる日には、絶望の渦に巻き込まれそうになるわけです。
さて、そんな私ですが、名前たなか。
いや、もう、この時点で「たなかって何?ドイツの詩人?」とか言われるんですが、残念ながらドイツの詩人とは何の関係もありません。
ただ、小学校の頃から「か」とつく言葉をつい多用する癖があり、「わかる、わかる、か?」
なんて調子で話していた結果、「たなか」と呼ばれるようになったのです。
そう、これは自己紹介のコツの一つですね。
ニックネームというのは、案外自分ではなく他人が決めるものです。
人生はコントロール不可能な事象の積み重ねであり、その中で自分の名すら他者の手に委ねられることが多いのです。
ところで、自己紹介といえば趣味の話になるわけですが、ここがまた難関です。
「趣味は?」と聞かれるたびに、自分のアイデンティティが試されるような気分になります。
「読書」と答えるのはあまりにも凡庸すぎるし、「編み物」と言うと、今度は急に老後の楽しみをイメージされがち。
なので、私はこう答えることにしています。
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何それ?と聞かれた瞬間、しめたものです。
「日々の隙間時間を見つけては、物語や考えごとを編み上げていくのが私の趣味なんです」と、ここで一気にギアを上げる。
すると相手は「おお、なんだか奥深い」と思い込んでくれるわけです。
実際、深いかどうかはさておき、隙間時間を有効活用するのは作家としての必須スキルですからね。
結局のところ、書きものというものも「人生の隙間を縫う」行為そのものですから。
さて、ここで重要なポイント。
自己紹介というのは、一度や二度で終わるものではなく、まるで長編ドラマのように次々と新しいエピソードが追加されていくのです。
登場人物は常に増え、設定もどんどん複雑化していく。
しかしその中で一貫性を保つことが大事。
自分というキャラクターの根底を見失わず、少しずつ伏線を回収していくのが上手な自己紹介です。
というわけで、これが私、たなかの自己紹介です。
簡単にまとめると、私は日々の「味」を伝える試食コーナーの案内人であり、人生の隙間を縫っている者。
そして、時にはチョコレート味のピザのように、不思議な味わいを提供するかもしれませんが、それもまた一興。
ぜひ、楽しんでいただければと思います。
補足:ほんとの趣味は中央競馬です。
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