「美容室でのサバイバル:シザーハンズに憧れる戦士の叫び」
髪の毛ってさ、生えたら切るのが当たり前って誰が決めたんだろう?
そんな疑問を抱いたのは、私が美容室の予約をするたびに「行きたくない!」と心の中で悲鳴をあげるからだ。
もうこれは遺伝子に刻まれてるんじゃないか?
と思うくらいの美容室恐怖症で、ドアを開けた瞬間から戦闘モードに突入する。
そもそも、美容師さんとの会話ってなにあれ?
私が注文したのは「長さ5センチくらい切ってください」だったはずなのに、
とか「最近の流行ってどう思います?」って、
それとも、私のヘアスタイルと社会情勢をどうリンクさせようとしてるの?
確かに髪型は自己表現の一部だけど、そんな深い話がしたいわけじゃないんだ、私はただ髪を切りたいだけなんだよ!
という心の叫びは、だいたい「うーん、まあ、そうですね…」で終わる。
そして、シャンプーの時間。
あの瞬間は、もう無の境地に入るしかない。
目の上に置かれたタオル。
なんでか知らないけど、あれが置かれた瞬間から一気に別次元にトリップする。
もはや自分が今どこにいるのかすら分からなくなるあの不思議な体験。
しかも、やたらとシャンプーを褒められる。
とか、
って、いやいや、私の頭皮の話なんて誰も聞きたくないよ…
でも、褒められるとなんか照れるから、「ありがとうございます」とか言っちゃう自分が情けない。
そして極めつけはカットだ。
鏡の前に座ると、必ず目にする自分のすっぴん。
しかも髪を切られている間、どんな会話をすれば良いのかが謎すぎて、ただひたすら「この沈黙、なんとかならないかな」と思うばかりだ。
で、ここでシザーハンズみたいな奇跡が起きるのを期待するわけですよ。
あの映画のエドワードみたいに、手がハサミで、髪の毛を切りながらもふわふわのファンタジーが広がるってこと、ないかなーって。
でも、現実はそんなに甘くない。
現実はむしろ、鏡の向こうに見える自分の姿と向き合う試練みたいなものだ。
何が「大人の余裕」だ。
そんなもの、美容室の椅子に座った途端にどこかに飛んで行ってしまう。
毎回「次はもっと自然体でいこう」と思うけど、結局は「これはどうしたらいいんだっけ?」ってパニックになるだけ。
そして、やっとのことで終わったと思えば、
と、さらなる試練が待っている。
と心の中で叫びながらも、「じゃあ、また3ヶ月後くらいに…」と返事してしまう自分がいる。
シザーハンズのエドワードみたいに、魔法みたいに髪がキレイになるだけじゃなく、素敵なロマンスがあれば…
って夢見ても、現実はただ髪を切るだけの作業。
でも、美容室が苦手な私には、その「ただ」が超えられない山なのだ。
次こそは!
次こそは、シザーハンズ級の奇跡を起こしてみせる…
(現在、今年の予約は先延ばし中)。
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