見出し画像

「蒙古タンメン中本、異世界への片道切符」

ある日のことだった。

蒙古タンメン中本を食べる、という、まあ平凡っちゃ平凡な昼下がりの予定が、まさかこれほどの冒険になるとは夢にも思っていなかった。

いや、正確に言えば、それは「冒険」というよりも「戦場」だった。

なぜかって?

蒙古タンメン中本、その名前には風情があるが、その実態は激辛ラーメンの王様、いや、辛味界のラスボスと言っても過言ではない。

店内に足を踏み入れた瞬間、すでに空気中に漂う唐辛子の刺激が鼻腔を襲う。

と思うほどの辛さオーラが放出されていた。

だが、私は意気揚々としていた。

と心の中で叫びつつ、辛さを制覇する勇者の如く、蒙古タンメンを注文した。

だが、この時点で、私の中の「胃袋騎士団長」はすでに撤退の準備を始めていたのかもしれない。

蒙古タンメンが目の前に置かれた瞬間、その赤さはもう、火星の表面かというくらいだった。

と心の奥底で感じたものの、ブログネタにするんだし、もう引き返せない。

勇者は立ち向かう運命だ。

一口、二口、三口。

火を吹く。

いや、文字通り火を吹いていた。

辛さの波が私の口の中を焼き尽くし、もう水も効かない。

口の中で暴れる唐辛子が「我々は支配者だ!」と叫んでいるようだった。

そして、胃袋に到達した瞬間、それはまるで火山の噴火を誘発するような感覚だった。

やばい、これは尋常じゃない。

店を出る頃にはすでに、腹がグルグルと音を立て始めていた。

まるで「第三次蒙古タンメン戦争」の開戦を告げるゴングのようだった。

しかし、ここからが本当の地獄の始まりだった。

帰りの運転の中、私は冷や汗をかきながら、全力で腹の中の戦火を抑え込んでいた。

と自分に言い聞かせながら。

だが、腹痛はそう甘くなかった。

まるで中本の辛さが腹の中で反乱軍を組織し、内乱を引き起こしているかのような勢いだった。

汗が止まらない、顔色が青白い。

まるで命の危機が迫っているように感じたその瞬間、ふと思い出す。

と、かつての自分がブログに書いた一節が脳裏に浮かんだ。

ああ、これがブーメランってやつか。

結果として、家に辿り着くや否や、トイレに直行。

まるで「退避せよ!」と叫びながら、逃げ惑う兵士のように。

数時間に及ぶ「戦闘」が終わり、ようやく平和が訪れた頃、私は悟った。

蒙古タンメン中本、それは食べ物ではなく、一種の試練だと。

次の日、友人からのLINEにこう返信した。

と。

腹痛?

fin.


いいなと思ったら応援しよう!