ブレインストーミングと肯定会議
ブレスト + グルイン = 肯定会議
ブレイン ストーミングと、肯定会議を比較しつつ、おさらいしてみましょう。
◇ブレインストーミング(brain storming)略してブレストは、
開発者のオズボーン氏いわく、「特定の問題に対しアイディアを出し合う会議」
で、
集団創造技法(a group creativity technique)のこと。
・参加人数は(責任者と傍観者を除く)12名前後。
・参加者は、司会進行役と、アイデアを出すメンバー役の、二役。
・2つの原則に基づく4つのルールに則り、最少で3回、開催。
一日目 アイデア出し 二日目 アイデアの評価 三日目 アイデアの具体化
・使用ツールは、オズボーンのチェックリスト9。アイデアマッピング。
オズボーンさんに成り代わって勝手に補記しますと、責任者(オズボーン氏がいうところのクライアント)は、
たとえば、マジックミラーの後ろからグループインタビューの様子を観察している広告スポンサーのイメージでしょう(オズボーン氏は広告代理店の副社長でしたので)
よって、責任者にアイデアを出す責務は、ありません。同じく、傍観者(オブザーバー)も、参加人数に加えません。この二役は埒外。
肯定会議(Affirm meeting)略して肯定会(アファミーティング)は、
開発者の筆者いわく、「参加者の意見を受け容れる座談会」
で、
問題を認識し、意識し、情報を集め始める機会のこと。
・参加人数は(責任者と傍観者を除く)2名~8名(4人掛けテーブル2台まで)
・参加者は、司会進行役と、書記と、議題に興味があるメンバー少数の三役。
余談ですが、米国Apple社でも、会議の人数は少数と定められており、参加者は
「関係」者ではなく「当事」者のみで、
それ以外の参加者は退席させられたというエピソードがあるそうです。「会議は少数精鋭で」ということかしらん。
いずれにしても、会議に参加できる喜び、楽しみ、選ばれし栄誉、主体性等が
会議を盛り上げること間違いありません。
閑話休題。
・肯定会は、すべての発言を受け容れる唯一のルールに則り、最少で1回、開催。
・開催は、オリエン&アイドリングトークを含む10:00集合 → 10:30開始 →
11:30終了 → 早めにランチ → 13:00から2セット目 → 14:00~14:30終了
の正味2時間。
午後スタートでしたら、
オリエン&アイドリングトークを含む13:30集合 → 14:00開始 → 15:00終了
→ 3時のおやつ → 15:30から2セット目 → 16:30~17:00終了の正味2時間。
・使用ツールは、三次元マトリクス、セグメント図、アイテマイズ等あらゆる手法で形式知化、可視化し、知を整理。
ブレインストーミングと肯定会議の共通点および相違点
両者に共通しているのは、司会進行役(ファシリテーター)の存在です。
ブレストを商品化している会社が無さそうなので、司会進行役を外注する場合のギャラは想像つきませんが、
参考までにグループインタビューの場合、司会進行役(モデレーター)を外注すると、一回一人あたり5~6万円かかります。
イベントの司会も大体5~6万円からなので、上は20~30万円のベテランもいるでしょう(結婚式の司会で徳光さんクラスともなれば一本から三本だそうです)
グルインを商品にしている調査会社は沢山ありますのでご興味がありましたら検索してみて下さい。
つまり、司会進行役には、それだけの価値があるということです。
翻せば、進行役が不在のブレストは、ブレストに非ず。
昔からある普通の企画会議(プロジェクト ミーティング)で、
それをブレストと呼ぶのは、後進の自由。オズボーンさんの頬が引きつるかも知れませんが(笑)
ブレストは、アイデアを出し合う会議ですから、参加者には、アイデアを出す責務があります。
一方、ブレストにグループインタビューを取り入れた肯定会には、アイデアを出す責任も、義務もありません。
発言が活発になれば自然とアイデアが湧き出てくるからです。
グループに種火をつけて、あとは勝手に参加者に盛り上がって頂く司会進行が理想形だと個人的には思います。
グループインタビュー(グルイン)は、
・年齢も、
・性別も、
・職業も、
・価値観も
なにかも異なる参加者から90分以内にインサイト(本音)を引き出さなければなりませんので、
責任と義務を押し付けると、カチンコチンに緊張したまま発言しない参加者もたまに現れます。
もちろん、参加者(モニター、対象者、インタビュイイーとも呼ばれます)は、ギャラを受け取る立場上、積極的に、発言しなければならないことを承知して参加しています。
ところが、司会進行役によって、お通夜のようなグルインになることもあれば、(司会進行の未経験者や初心者に多し)
和気あいあいとしたグルインになることもあれば、笑いが絶えないグルインになることもあります。
よくあるミーディングのように、ファシリテーター次第なんですよね。
余談ですが、筆者が、司会進行を仰せつかった時は、開会の直前、鏡の前で笑顔を作り、大笑いする練習してから、グルインに臨みました。
グルインが終わると、気疲れで、ヘトヘトでしたっけ(苦笑)
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