AIDA=プロモーションを循環させる営業戦略
広報 = AIDA法則のInterest = 関心を高めましょう
マーケティングの4P'sのひとつであるプロモーションには、
1)広告
2)広報
3)販促
4)販売
の4つがあります。企業間取引の場合、販売は、正確には、営業の一部です。
なぜなら、販売は、営業活動に内包される(第六段階目に位置する)からです。
企業間取引や、分譲マンションのような、関与度の高い商品でしたら、分かりやすいでしょう。
たとえば、事務機器を、知らせて、勧めて、売るだけで、次から次へと売れるのならば、誰も苦労しませんよね。そこで、
広報 = AIDA(あいーだ)法則のInterest(関心)
の出番。関心を高めましょうということです。
関心を高める目的は?
何の関心を高めるか?というと、
1)商品
2)企業
3)営業マン
の3つ。一言にまとめると「信用」です。
1)商品への信用
2)企業への信用
3)営業マンへの信用
が高まっていれば、
第3段階)すすめる = 販促 = Desire(欲求)= 利
↓
第4段階)売る = 販売 = Action(行動)= 利
へ進みやすくなります。
その点、大企業は有利ですよね。社名に信用がついていますし、商品への信用も(あのA社製というだけで)ついています。
残るは、営業マン個人の信用。
営業マン本人は、世界一、自分のことを知っていますから、
「怪しい者ではありません」
と、胸を張ることができますが、初めて名刺交換した相手は、何も知りません。
知らない人を、信用できませんよね?
知らないおじちゃんには、ついていくな(笑)と教わりましたよね?
だから(信用してもらうために)関心を高めます。
売れる時まで「待つ」戦略とは
関心とは、興味をもつこと。突き詰めれば、ユニークネス(uniqueness※)
※独自性、特異性、唯一性、無比、風変わり
1)どれほどユニークな商品で、
2)どれほどユニークな企業で、
3)どれほどユニークな営業マンか
伝えなければ、伝わりませんので、
第2段階)分らせる = 広報 = Interest(関心)= 義
の段階で、戦術ツールを使って、伝えます。
関心を高め、興味を持ってもらい、信用してもらう営業活動ですので、一円も儲かりません。
儲けを出すのは「利」の段階です。
第1段階)知らせる = 告知 = Attention(注意)= 利
↓
第2段階)分らせる = 広報 = Interest(関心)= 義
↓
第3段階)すすめる = 販促 = Desire(欲求)= 利
↓
第4段階)売る = 販売 = Action(行動)= 利
第1段階から第4段階まで、時間の概念は無関係ですので、知らせてから30分後
に売れることもあります。
が、複数の意思決定者が購買に関る企業間取引の場合、現実的に、即決は稀で、
売れる時まで「待つ戦略」が必要になります。それが
第2段階)分らせる = 広報 = Interest(関心)= 義
です。待っている間に、分かって頂き、関心を高めます。
AIDA(あいーだ)=プロモーションの戦略化
関心が高まれば、関与度も高まります。関与と、関心。二つの“関”は、比例します。
関心とは、興味をもつことでしたね?
関与とは、好むと好まざるにかかわらず、関ること。
たとえば、好むと好まざるにかかわらず、事務機を購入しなければならない時
が来たとして、
A)関心が高く、興味があり、信用できる営業マンから購入するか?
B)関心が低く、興味もなく、信用できるかどうか分からない営業マンから購入
するか?
その答えは、火を見るより明らか。
なので、古い付き合いのある発注先(ライバル)が有利になりますが、それをひっくり返して、ご新規様になって頂こうとする営業活動が新規開拓。
それには、儲からなくても、
第2段階)分らせる = 広報 = Interest(関心)= 義
の段階で、関心を高め、信用してもらう作戦が必要です。それが、
AIDA(あいーだ)=プロモーションの一致
第1段階)知らせる = 告知 = Attention(注意)= 利
↓
第2段階)分らせる = 広報 = Interest(関心)= 義
↓
第3段階)すすめる = 販促 = Desire(欲求)= 利
↓
第4段階)売る = 販売 = Action(行動)= 利
の四段階であり、これを軸にした(長期接触営業戦略の)セールスフローです。
セールスフローは、難と易に分かれますので、
易)告知紹介(ex.商品を告知して、名刺を交換する)
↓
易)顧客発掘(ex.顧客情報をデータベース化して、母数を維持する)
↓
易)接触継続(ex.暑中見舞いを送る。アンケートに協力して頂く)
↓
難)問題発見(ex.抱えているであろう問題を見つけて、解決方法を探る)
↓
難)問題解決(ex.問題が解決する価値を提案する)
↓
難)販売契約(ex.商品を売る)
↓
難)再販機会(ex.フォローする)
このように難と易を分け、チームプレーにすることも出来ますし、一人で兼任することもできます。
売れても、売れなくても、戻る場所を作っておく戦略
意外と気づかれていないようですが、プロモーションにしても、AIDAにしても、
「売れたら、お終い」
というドン突き状態のまま拡散しました。
AIDA法則の派生形として誕生したAIDCAS(あいどかす)のみ、
Attention(注意)
↓
Interest(関心)
↓
Desire(欲求)
↓
Conviction(確信)
↓
Action(行動)
↓
Satisfaction(満足)
と、サティスファクションを最後に付け加えることでフォローアップの重要性を示唆していますが、
「売れたら、お終い」
という風潮が、現在の新規営業にもありがちな現実は、ご存知の通りです。
むろん、売れたらお終いではありません。
売れたら → さらに関心を高め → もっと欲しくなって → また買う
という循環(サイクル)を作り出ことで、何度も接触できます。
これが、プロモーショナル・サイクル(promotional cycle)です。
第1段階)知らせる = 告知 = Attention(注意)= 利
↓
→ 第2段階)分らせる = 広報 = Interest(関心)= 義
↑ ↓
↑
↑ 第3段階)すすめる = 販促 = Desire(欲求)= 利
↑ ↓
↑
← 第4段階)売る = 販売 = Action(行動)= 利
ご覧の通り、売れても、売れなくても、
第2段階)分らせる = 広報 = Interest(関心)= 義
という、戻る場所があれば、長きにわたって接触できますが、この段階を省くと、
売れても、売れなくても、戻る場所がなくなってしまい、また一から告知先を探すことになりますので、
第2段階)分らせる = 広報 = Interest(関心)= 義
の段階が、企業間取引の新規開拓で、いかに重要か、お分かりになるでしょう。
余談ですが、プロモーショナル・サイクル(promotional cycle)は造語です
が、
確か、博報堂さんが、プロモーショナル・マーケティングなるものを広めようと頑張っていますので、
紛らわしくならないよう、別の名称も考え中。