選択戦略
マーケティングの4Pとは?
もはやご説明するまでもない4P's。
Product(製品)
Price(価格)
Place(流通)
Promotion(プロモーション)
の頭文字を取ったマーケティング戦略である。アメリカのマーケティング学者ジェロム・マッカシーが提唱した。
これに対し、ノースカロライナ大学のロバート・ラウターボーン教授は、
Customer value(顧客価値)
Customer cost(顧客コスト)
Convenience(利便性)
Communication(コミュニケーション)
という「マーケティングの4C」を掲げ、「企業サイドから見た4P'sではなく、顧客サイドから見た4C'sで分けるのが適切」と唱えた。
いずれにしても、この4つの分類は、当を得ている。
コトラーの7Pとか、6Pとか8Pとか色々あるにせよ、とてもシンプルかつ明快に分類されている。
では、あなたに質問。
「マーケティングの4Pって何?」
マーケティングのプロなら難なく答えられると思う。
マーケティング戦略
マーケティングの4Pとは、4つの戦略(製品戦略・価格戦略・流通戦略・プロモーション戦略)のことである。
この4つの戦略を連鎖させるのが、マーケティング・ミックス戦略で、一般に、“マーケティング戦略”と呼ばれる。
これらマーケティングの4Pは分離できない。それぞれの戦略が連鎖して、はじめて、マーケティング戦略たり得る。
しかし、私の解釈は、少々異なる。
コ難しい話はスッ飛ばして、
「マーケティングの4Pとは何か?」
をプラス・マーケティングで説明すると、
A 価格で選ぶか?/選ばれるか?
B 品物で選ぶか?/選ばれるか?
C 店舗(チャネル)で選ぶか?/選ばれるか?
D プロモーションで選ぶか?/選ばれるか?
E それらを複合して選ぶか?/選ばれるか?
との選択戦略を指す。
先日のミーティングで、最後の最後にチラッとお話した通り、マーケティングの4Pとは、選ぶこと。選ばれることである。
4つの戦略は切り離せないため、複合され、かつ特化されている。
A 価格で選ぶ代表格が\100ショップや家電量販店(ヨドバシカメラ他)
B 品物で選ぶ代表格が無印良品やレクサス↓
C チャネルで選ぶ代表格がDELLコンピュータやアムウェイ
D プロモーションで選ぶ代表格が化粧品(資生堂他)や清涼飲料水
(サントリー他)
E BCDの複合で選ぶ代表格がP&GやAppleコンピュータ
たとえば、家電メーカーの系列小売店が生き残るには、家電本体の価格以外で戦う戦略になろう。価格戦略では -独禁法を変える以外に- 勝てない。
買うか・選ぶか
成熟社会にはモノがあふれている。ということは、選ばずに買うことは有り得ない。(チャネルを構築していれば、選ばれなくとも売れるが、チャネルを開拓している時点では、必ず、選ばれているはず)
ということは、選ばれるから売れるし、選ばれなければ売れないという、至極当たり前の、単純な構図にあることはお分かりになると思う。
じっくり選ぶか、ポンと選ぶか、商品によって違ってくるが、選ぶ行為は財産を失うマイナス行為ではないため、受け入れられやすい。
しかし、買う行為は、財産を失うマイナス行為である。
マイナス行為なのだから、できるだけ避けようとする。貧乏人は、カネを払いたくないのだ。金持ちは、もっとカネを払いたくない。
なのに、売ろう売ろうと(相手の嫌がるマイナス行為を)勧めているのが現状。
それに、売買を全面に押し出せば、価格戦略が最も強く作用することになる。真綿で首を絞めるようなものだ。
しかし、売買ではなく、選択ならば、価格以外の価値まで含まれてくる。
ということは、価格以外の動機で選んでもらえる可能性が高まる。
売り込むな。選ばせよ
よく「売る・買う」行為がマーケティングの最終段階のように言われているが、それはモノがない社会、あるいは成長社会でのことである。
成熟社会においては、選ばれさえすれば、黙っていても売れる。売らずに売るということだ。
だから、売り込む必要は無い。選んでもらうようにすれば良い。(ただし、強制的に選ばせる押し売りや、だまして売る悪質商法は言語道断)
むろん、あなたの製品が選ばれるように4Pを構築しておかないと、競合他社の製品が選ばれてしまう。
あなたの商品が売れないとしたら、(WANSがあるなら)売れないのではなく、選ばれていないダケである。
成熟社会において、選択者(セレクター)が求めているものは、買うことではない。
選ぶことである。
ということは、あなたがすべきことは、あなたの商品が、より多くのお客さんから選んでもらえるようにすることである。