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ランマアプセウデス(Matsushima & Kakui 2024)

私が関わった論文の短い紹介.

”水族館からタナイス目甲殻類の新種を報告”

Matsushima & Kakui (2024) は,指導学生の松島吉伸さんが主導したタナイスに関する研究結果です.研究対象種は,2009年に私が名古屋港水族館の展示水槽内から発見し,継代飼育系を立ち上げて以降様々な研究に用いられ,例えば1個体がオスとメスの生殖器官を備える同時的雌雄同体であることなどが明らかにされていますが,何という種なのかについては確定できていませんでした.

今回,形態情報と複数遺伝子のDNA配列情報を用いて研究を行ったところ,名前のない種(未記載種)であることが明らかになったため,Apseudes ranma(和名:ランマアプセウデス)として新種記載を行いました.なお学名と和名は,本種が雌雄同体であることから,高橋留美子氏の作品「らんま1/2」のリードキャラクターで,本来は男性ながら女性にもなりうる「早乙女乱馬(らんま)」を想起したため,高橋氏に許可を頂いたうえで,同キャラクターに因んで命名したものです.

ランマアプセウデス(生時)

Matsushima, Kakui (2024) Apseudes ranma sp. nov. (Tanaidacea: Apseudidae) found in a public aquarium, with notes on phylogeny and a presumptive stridulatory organ. Bulletin of Marine Science 100: 451–469.

doi: 10.5343/bms.2024.0030
著者最終稿: https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2115/91919
プレスリリース: https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240730_pr.pdf

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