やってはいけない住宅の定番ごと【4LDK】
みなさま、こんにちは~
タ・ナ・ゴコロ株式会社一級建築士事務所の代表・中川こと、
《住まいリー☆なかしゅう》でございます
先に言いますと、結果的に4LDKの間取りになるのはOKなのですが、
『とにかく、4LDKにしてください!』
このリクエストをするのは、もうやめましょうよ~という提案です
一戸建てのイメージが固まっていない人に多いリクエストで、
プロ・アマ問わずに、打合せでまず最初によく言われるワードでもあります
こういうリクエストをされる方には、私は逆にこう質問します・・・
『4LDKの4とはLDK以外の部屋数のことなのですが、何に使う部屋かお聞かせ願えますか?』と
だいたいの答えは…
① 主寝室
② 子供部屋その1
③ 子供部屋その2(今いなくても将来的に)
までは答えられても、
『4つ目の部屋は何に使うのですか?』と聞くと、ほとんどの方が答えに窮したうえで、ひねり出した答えでよくあるのは…
④ 客間
あるあるの一つの答えで、そう答えた方にはこう質問します
『客間に寝るお客さんは、年間のうち何日泊っていきますか?』
大体の人が、せいぜい3日もしくは泊っていく人はいない。と答えます
こんな頻度の利用しかしない部屋を作るのは、限りあるスペースの中ではもったいないですね~
④ 納戸
これも多い答えですが、納戸とは現代版でいうところのWIC(ウォークインクローゼット)ということで、部屋ではなく収納として使う形でしょう
部屋の概念は、寝具(布団ないしベッド)・デスク・衣類収納(クローゼット含む)が無理なく配置できる空間で、広さでいうと4畳半ほど
納戸であれば、3畳もあれば充分かと思います
設計士という職業は、施主から受けたリクエストは何とか叶えようと努力する人種(が多いと信じたい)ですので、
『4LDKの家を設計してくれ』とリクエストすれば、その方向に突っ走ります
言い換えると、本来あるべきではない方向のリクエストであったとしても、そっちへ向かってしまいます
4LDKという選択が間違った方向だったとしてもです
また、こんなリクエストがあれば大義名分ができ、『その通りにやればいいや』と、設計士は思考をせず、楽をできるようになってしまう場合もあります
本来あるべきではない方向のリクエストには、施主の要望といっても設計士はアドバイスや提案をすべきですが、
明快に数字で具体的すぎるオファーをだすと、
『少々の不具合は4部屋確保のために我慢してください』という論理を設計士が主張できる大義名分になるので、
本当に4部屋の使い方が決まっている人以外は、安易にリクエストしない方がよいです
私がよく使う例えですが、
風邪を引いたかな?と思って病院へ行っても、お医者さんへ『風邪薬をください』とは言わないでしょう?と
医者も患者にそういわれたところで、『はい分かりました、風邪薬を出しますね』とも言いませんw
どんな症状なのか、いつから具合が悪いか、持病はないか?などをいろんなことを聞き、症状を判断してくれると思います
『診て、察する』のが診察であって医師の役割であって、
患者に言われたから風邪薬を出しました。とはなりません
これを住宅の設計にあてはめると、
『4LDKは欲しいです』とのっけからリクエストするのは、『風邪薬をください』というのと同じで、
施主が自分に必要な部屋数を決めつけてしまっているんですね
設計士とお医者さんとは、法的には求められることは違いますので、
『はい分かりました』と簡単に風邪薬を出しちゃう設計士もいます
本当は風邪じゃなく、別の場所に体調不良に原因があるかもしれないのに、
適切でない薬を服用すれば、もっと体調が悪くなるかもしれません・・・
住宅でいえば、不要な部屋を一つ多く確保するより、もっと必要なスペースや設備機能に使った方が、快適で住みやすい住宅になるところを、
わざわざ良くない方向(体調不良)に向かう感じでしょうか
部屋数の設定とはハナから決めるべきものでなく、必要に応じて決まっていくものなので、
施主自らが安易に数字でリクエストせず、設計士に要望を吸い上げてもらって決めることをお勧めします
私たち設計士の仕事と本分は、『施主の為にプロとしてより良い考えを提案する』こと
上手に利用して頂き、より良い家の完成に近づいてください!
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