ライターがインタビューする際に準備する事
この5年ほどで、求人記事のインタビューや経営者インタビューなど、ビジネス系をメインに1000件近くインタビューしていると思う。
フェーズも変わってきて、人にお願いしないと回らない部分も出てきているので、せっかくだからnoteにまとめたい。
半分は備忘録みたいなものだし、一種の引き継ぎ資料だ。
前提の条件
取材相手・テーマが一定決まっているビジネス系の取材。
※できるだけ汎用性は高めたいが、グルメ取材や体験記事などに活かせるのか未知数。
外せないのは事前のすり合わせ
まず、一番外せないのは、クライアントや依頼者、取材先とのすり合わせ。
僕らは、自社のメディアとしてのインタビュー・記事作成もしているが、一番多いのはクライアントが存在する取材と記事作成だ。
クライアントや依頼者と目線がすり合っていないインタビューは、たとえ良いインタビューができても、良い記事は生まないし、そもそも良いインタビューにならないケースが大半。理由は「ブレる」からなんだと思ってる。
■すり合わせるべきこと
・メディアのコンプト
・記事の目的(採用につなげたい、特定のイメージを伝えたい など)
・対象の読者イメージ
・なぜ今回のインタビュー対象者が選ばれたのか
良い内容が聞けるインタビューかは事前準備が左右する
事前準備の手を抜いても、正直言ってしまえばインタビューはできるし、記事にすることもできる。ただ、それだと予定調和だったり既出の内容の焼き直しにしかならず、わざわざ時間をとってもらった取材相手にも失礼なはず。
インタビューすることは、自分やクライアントにメリットがあるものである半面、インタビュー対象者にも価値は提供できると思ってる。
インタビューの価値についてはこっちを見て欲しい。
◆事前準備の内容
・インタビュー対象者の取材記事を読む(最初は10記事程度が目安)
・インタビュー対象者への理解を深める
ーSNSをチェックする
ー経歴を調べる
ー出版物の有無を調べ、可能な限り読む
・インタビュー対象者の所属する会社の概要やサービスを調ベる
ー事業内容を理解する
ービジネスモデルを理解する(誰に、何を売って、どうお金が入る?)
ー会社の沿革を調べる
ーインタビュー対象者の経歴を調べて、なぜその会社で働くかを考える
ー会社の資本構成を調べる(どこのVCが出資しているか?どこが親会社か?など)
・インタビュー対象者の競合や業界動向を調べる
・想定質問を考える
ー記事を成立させるために絶対に聞くこと5個
ー渾身の質問を2個
ー困ったら聞くこと10個
・記事の構成を想像する
・取材先の最寄り駅を調べる
・ICレコーダーを準備して、電池と容量を確認する
上記の中でも、想定質問はポイントだと思う。記事の目的にもよるが、絶対に聞かないとそもそも記事が成立しなくなる質問はある。例えば、キャリアを紹介する記事で対象者のキャリアを聞けていないとそもそも記事が成立しない。
渾身の質問というのは、賭けの要素も大きいので空振りしても心が折れない強さが必要。ただ、その質問を呼び水にものすごく面白い話が聞けるかもしれない。例えば、SNSなどで組織論などに言及していたり、シェアしていたりする人に、「5年後の組織を想像してみて、理想の組織ってどういうものですか?」など少し突飛な質問をしても良いと思う。もちろん「え?」と時間が止まることを恐れなければ。
困ったらきくことも重宝する。聞いても聞かなくてもいいけど、広がったらラッキーぐらいの気持ちもあるし、それまでのインタビュー内容を頭の中で整理するリードタイムを稼ぐためにも使える。「これまで仕事するなかでの一番の失敗ってなんですか?」など具体的で、かつ誰でも答えられる内容が向いているかもしれない。
落ち着いた気持ちでインタビューに望める状態をつくる
こちらが、そわそわしているとインタビュー対象者にも伝わるし、落ち着いていないとやっぱり良いインタビューにならないと思ってる。
◆取材直前にやること
・会社概要を再度チェックする
・事前準備で調べた記事で、一番良かったものを再度読み返す
・事前質問を見返し、インタビュー中にいつでも見れるようにする
・20分以上前に現地について気持ちを整える
ひとまずここまで出来ると、インタビューで失敗する確率は減らせる。ただ、人ありきなので、どうしても話が噛み合わないことはやっぱり出てくる。その時はそのことを笑い話にできるように振り返るしかない。