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鉄道博物館に行ってきた
てっぱく、てつはく、てつどうはくぶつかん
わが家の3人の子どもたちが、それぞれの言い方で、てっぱくに行きたい、てつはくに行きたい、てつどうはくぶつかんに行きたい、と言っていて。年が明けて少ししてから、行ってきた。
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入ってすぐ、いきなりメイン展示と思しき車両ステーションが現れた。いろいろな時代の車両がゴロンゴロンと置いてある感じが、すごくよい。自分は汽車や電車への偏愛はないのだけれど、古い車両の「手づくり感」には、えもいわれぬかわいらしさがある。
パパの好きなでんしゃ
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自分の子ども時代を包み込んでいた鉄道たちよりもずっと古いこの車両に、妙に惹きつけられた。思わず「かわいい」と声に出た。隣にいた7歳の長女がそれを聞いていて、「パパの好きなでんしゃ」と名づけた。
※電気機関車って、「電車」なのか。そうじゃないのか。調べると、「電車」という人も「電車じゃない」という人もいる。ややこしい。
せんそうをはしりぬけた『かば』でんしゃ
鉄道関連の本がたくさん置かれたコーナーがあった。そこで、7歳の長女が、「パパが好きなでんしゃの絵本があったよ」と言って、見せてくれる。そして、最初から最後まで読み聞かせをしてくれる。なんだ、この、親子逆転現象。ふつう、パパが娘の行動を観察して、娘の好きな「でんしゃ」の見当をつけて、ふと博物館内の蔵書に当該車両の関連本があることを発見したら「よっしゃー!」となって、娘に報告しつつ、読み聞かせをしてあげるのじゃないかな。7歳の長女は人生を何周もしているのかもしれない。一周目のパパは娘から学ぶことばかりだ。
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「せんそうをはしりぬけた『かば』でんしゃ」の詳しい情報はこちら
銃弾のあとを見に2階に行く
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娘の読み聞かせによって知ったこととして、「パパの好きなでんしゃ」は、もともと旅客列車として運行していたが、戦時中に兵隊を輸送する用途に使われるようになり、米軍機による機銃掃射も受けたとのことだった。絵本には、天井に弾痕が残っていると書かれている。娘は、そういった事実のひとつひとつに、興味があるらしかった。娘は歴史が好きになるのかもしれない、と思った。
「もう一回、見に行こうか」
と娘と話し、再度、車両ステーションへ。エスカレーターで2階に上がると、完全に俯瞰することができる。なんとなく、穴ぼこのようなものを見つけては、「あれがそうかな?」「あれがそうかな?」と言い合った。彼女は過去にあった事件と、今ここにあるものとを、繋ごうとしている。7歳の娘の成長に、不思議な気持ちになる。
自分の勝手な偏見で、プラレールにハマっている3歳の息子(3人の子どもたちの中の唯一の男子)の好奇心を満たすことが、今日という1日の主な任務になるのかな?と思っていた。あまりの意外な展開に、振り回されていることが、なぜか妙に心地よかった。
※運転席に入ると天井に弾痕が確認できるらしいが、わが家が行った日はEF551の内覧は出来なかった。私と長女の好奇心は、想像を膨らませるところまでが終着駅だった。のでした。
おまけ: 新幹線のすべり台
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わが家の3歳の双子は、本物の新幹線よりも、すべり台の新幹線の方が好きなようだった。