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王ドロボウJING/KING OF BANDIT JING

  • 概要
    "王ドロボウJING"は、今は亡き月刊コミックボンボンで1995-1998に連載されていた作品。途中で媒体を月刊マガジンZに移行し、その際にタイトルが"KING OF BANDIT JING"に変更された。それぞれつながりはありつつ独立した作品という扱いで、各々7巻ずつ出ているが、KING OF BANDIT JINGに関しては作者療養のため現在も休載中という扱いになっている。作者は2012年から長い間行方不明とされていたが、2017年に生存確認のニュースがあり、若干世間がざわついた。しかし現在も休載中。

  • きっかけ
    ボンボン購読者だったんだ。みんなはコロコロ読んでたよ。マイノリティで悪いか。

  • よかったところ
    独特の世界観と構成、画力、台詞回し。どれをとっても素晴らしい。作品は数話完結式で、強いていうなら1巻を読んでおけば特にその後どんな順番で読んでも問題無い。各話のモチーフというか核になるのは"お酒(特にカクテル)で、その材料になる酒などの名前が登場人物につけられており、混ぜるとカクテルが完成するというお洒落な構成になっている。
    ストーリーは、各編で主人公ジンと相棒キールが何かしら盗む(しかも大体そんなもん盗めるんかいという代物)というのがお約束。ジンガールと称されるヒロインが各話に登場するのがセオリーで、アメコミのようなテンポとノリでストーリーが展開する傍ら、芸術的な描写・画力で不思議な世界観に引き込んでいく。
    絵画や映画、小説など、様々な"名作"のオマージュが各話ごとに散りばめられており、この作品を通じて各名作に触れ、更にそれらを理解することで本作品に厚みが増すという恐ろしい効果を持っている。現在はkindleで新装版が読めるが、後半の巻末には各オマージュの解説付録がついているので是非そこから読んで欲しい。
    また、絵がとにかく美しい。漫画において女性の裸体がいやらしさを超えて美しい、と呆けさせられたのは今作がほぼ唯一(自分史上なのであしからず)。各ジンガールの設定も非常に魅力的で、各話で素晴らしい存在感を放っている。
    どの編も甲乙つけ難いが、個人的なおすすめエピソードは下記の通り:
    ▽第七監獄セブンス・ヘブン編
    ▽ザザの仮面武闘会編
    ▽赤い風車と恋愛税編
    ▽Jing elsur
    ▽陽気な未亡人の宴編

  • うーん箇所
    全編美しいけども、最初と最後で画風が違いすぎる。漫画ではあるあるだが、本当に同じ作者?同じ主人公?という感じが激しい。特に王ドロボウの初回とKING OF BANDITの最後を比較すると本当に酷い差が、、キャラクターが物語の中で成長したと取れなくもないけど。
    あとはやはり休載中という点。現段階の最終話のセリフ的には綺麗に7巻で終わってもええんじゃないかという気もするが、扱いが休載ということでモヤモヤさせられる。もちろんできることならジンとキールの活躍が見たい。

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