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フィートとインチの計算にイライラして電卓アプリを作ってしまう話 #3:「コード書いてる自分ってイケてるのだろうか」開発

さあコードを書き始めよう!

とうとう勉強した成果を出す時が来た。正直長かった。アプリを作ろうと思ったのにまさかの「要件定義」や「設計」に時間を費やすこととなったしまった。おかげで Swift や SwiftUI の勉強も順調に進んでしまったじゃないか。いいことだけど。

ところで「開発」とか「コーディング」とかの言葉を聞いた時のイメージはどうだろうか。ふんわりしていて言うのも恥ずかしいが、個人的にはイケてる気がしていた。なにせパソコンに向かって猛スピードでよく理解できないコードを一心不乱に書き込んでいる。しかも複数画面を巧みに使用している。うーん、かっこいい。本当は何をやっているかよくわからないから余計にそう思う。

しかし、やってみるとわかるのだが、なんか想像と違う。まずコードを実際に書いている時間はそんなに多くない。先ほど述べたイメージのようにずっとカタカタとタイピングしているなんてことはない。あんなスピードで書いていたら、このプロジェクトのような個人の小さなものはすぐに完成してしまうだろう。その代わりに調べ物をしている時間が長い。初心者ということもあり、知らない部分が多すぎる。しかし現代ではドラえもんにも匹敵するインターネットという道具がある。わからなくなったらすぐインターネットの出番だ。という具合に調べ物をする時間がとてつもなく長い。

さらに言えば、プログラミングはただただ論理的に、そして機械的にこなすべき作業であることに気が付く。そもそもプログラミング自体が論理性しか持ち合わせていないようなものだ。コードを書き始める前から完成形を想定し、順序立てて作っていく。決して「こんな機能あったらいいな、おりゃ」ではない。

ここまで聞くと、これって楽しいの?と疑問に思う人もいるかもしれない。確かに人によって何を楽しいと思うかは異なるだろう。ただ、筆者はこれをとても楽しいと感じた。自分の書いたコードによって何かが出来上がっていく感覚はなかなかエキサイティングだ。何かを作っていくというのはやはりいい気分にさせてくれる。子供の時に秘密基地を作るのと何ら変わりない。そしてできた時の感動は素晴らしい。

さらに、同じ画面や機能を満たそうにもいろいろなコードの書き方があることがわかる。ちょっと頭を使うとより単純な形でその機能を満たすことができたり、コード自体が見やすくなったりする。ここで頭を使うのもクリエイティブなのだ。

これらの作業は、まさに建物でいうところの「建設」にあたる。企業や人で言えば、いわゆるゼネコンや職人といった会社や人が担当する部分だ。実際にものづくりに携わる人たちだ。

このようなことを考えると、建物とアプリは何かを作るという点で構成は似ているのかもしれない。どちらも基本的には一品受注生産となる。同じものを作ることはないため、要件定義や設計というフェーズが必要になり、開発も前回と全く同じ手段は使えない。一つ一つ手順を踏んで作っていくこととなる。

コードを書くということは、やったことがない人には本当に全くわからないといっても良いだろう。この道を通ってきた人でなければ、人生でもまず触れない部分だろう。なかなか知ることのないベールの向こう側という気がしていた。しかし、思ったよりもそうではないと言いたい。全くのビギナーであっても、コンピューターサイエンスを学んできてなくてもできる。したがってこれ以降の有料部分では、このアプリがたどった開発を順序立てて詳細に説明することで、初心者であってもアプリが開発できるんだということを示したい。

ちなみにこれは「フィートとインチの計算にイライラして電卓アプリを作ってしまう話」の第3話である。第1話はアプリの着想について、そして第2話は要件定義と設計について記載している。これらもぜひ読んでほしい。

では早速コーディングという未知なる世界を体験してみよう。


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