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心理学でコミュニケーションを潤滑に
うちの自動車販売の創業者であるじいさんなんですが、先日スマホデビューしました。
御年86歳。買い換えの現場に立ち会ったわけではないのですが、どうやら自分の息子(ぼくの父)やら店員さんやらから、全力で止められたそうなんですw
というのも、アプリはようわからん、カメラはあんま使わん、メールもようやらん、電話もちょろっとやるだけ。だけど、スマホが欲しいという感じだったんですね。
なので、「スマホが欲しいんじゃぁ〜〜〜」と言ってたじいさんの周りにいた全員が、「やめたほうがいいです」と口をそろえたみたいなんです(苦笑)
あなたは、この話を聞いてどう思いますか?やっぱり、86歳という超高齢から電話しか使わないためにスマホに変えることにもったいなさを感じるでしょうか?
そもそもなんですけど、みんなが言ってた「やめたほうがいい」という助言の裏には、『お金がもったいない』という視点しかないと思うんです。だってスマホに変えるだけで月々の支払いは4倍くらい跳ね上がるわけですからね。
それに、86歳という年齢を耳にしたら、とてもじゃないけど取り扱えないというイメージが先行するでしょう。
ですが、そこには「どうしてもスマホに変えたい!」というじいさんの欲求があったんです。そして、その欲求はぼくの父親にもスマホショップの店員さんにも、誰にも把握されてなかったんです。
その欲求とは、ハイテク技術を使いこなして注目を集めたいというものです。
もっというと、ハイテク技術を使いこなせるようになることを口実に、ぼくに教えてもらう形で話をたくさんしたい。さらにいうと、スマホを使いこなして、ひ孫たちと一緒にいろんな遊びをしたいというものだったんです。
その場では、駄々をこねるじいさんに根負けしてスマホに変えたという図が表面化されたそうです。なので、ぼくの母親も「この間おじいさんがスマホに変えてさぁ〜。お金もかかるのにもったいないわぁ〜。」と、グチをこぼしていました。
ですが、じいさん本人からよくよく理由を聞いてみると、スマホのことを聞く程でぼくとの会話を増やしたいというのと、ひ孫と一緒に遊びたいというのがあったそうなんです。
このように、誰だってワガママ言ってるだけのように見えても、真の理由というのが必ずあるものです。
そして、この真の理由を掴むことができないと、人との間にどうしても軋轢や気持ちの乖離が生まれてしまいます。
ひ孫とひいじいさんネタだったら、もう一つあります。
よく、ひいじいさんはひ孫に会うだけでも嬉しいという話を目にすると思います。これは、たしかにその通りです。人生においてひ孫と遊べるなんて、最上レベルの幸せだと言えるでしょう。
ですが、もう一歩踏み込んだ願望もあるんです。それは、ひ孫がいる・ひ孫と遊んでいる自分を、同世代の友達や知り合いに知ってもらいたい。つまり、ひ孫自慢をしたいという願望です。
ですが、このような『ひ孫自慢をしたい』という願望なんか、他の人に堂々と伝えるわけにはいきません。なので、遠まわしに「ご飯いきたい。ひ孫だけつれて。」などと、不自然なことを急に言ったりするわけです。
これは、真の目的が理解できないと、ただの気まぐれだったり最悪はボケてわけわからないことを言い出したなどと捉えかねません。
言葉の裏には必ず理由があります。その理由は、基本的には人間の欲求や願望から生まれてきます。
なので、コミュニケーションを潤滑にするためにも、ある程度の行動心理や消費心理・脳科学を理解するのも、一つの手と言えるでしょう。
田辺輝恭
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