薄利多売の危うさ(モデル:ドトールコーヒー)
あの〜、つかぬことを聞くんですが、あなたは知ってました?
ドトールコーヒーと星乃珈琲店が同じ会社だということを。ドトールといえば出店当初は1杯200円以下で飲めるコーヒー店として有名でした。で、一方の星乃珈琲店は最低でも1杯450円くらいするフルサービス型コーヒー店ですよね。
まったくスタイルの違う両店ですが、実は同じ会社が経営してたんですって。いや、厳密にいえばたしかに違うんですよ。
ドトールコーヒーは株式会社ドトールコーヒー。星乃珈琲店は日本レストランシステム株式会社が運営しています。だけど、その持株会社があるみたいなんです。株式会社ドトール・日レスホールディングスという名前なんですが、、。
なので、ドトールコーヒーと星乃珈琲店は同じ会社だというわけなんです。ぼくは経営コンサルを名乗っておきながら、全く知りませんでした(苦笑)
なんかこういった意外な関連性を見ると面白いですよね。芸能ゴシップをみて「あ、この俳優さんって、この芸人さんと深い付き合いがあったんだ!」ってなる感覚に近いものがありますw
で、こういった面白い発見ついでに色々気の向くままに調べてみたのですが、ドトールコーヒーは近年売り上げが減少傾向にあるみたいなんですね。
もちろん、持株会社である株式会社ドトール・日レスホースディングスとしては、売上増となっています。だけど、メインとも言えるドトールは苦戦気味。となると、何が助けとなってるのか?というところになってきますよね。
そうなんですよ。それが星乃珈琲店および日本レストランシステム株式会社なんですね。
なんでドトールが苦戦しているのかというのは、ちょっと考えればわかることです。コンビニがもろな競合になってしまったからです。
ドトールコーヒーというのは、元々のコンセプトが「誰もが」「安く」「簡単に」「美味しいコーヒーが飲める」というものでした。このスタイルは初出店当初だと珍しく、大きな成功を収めるビジネスモデルとなりました。
でも、このビジネスモデルってコンビニのコーヒーとモロかぶりなんですよね。むしろ、手軽さや安さでいえばコンビニの方が1枚も2枚も上手です。
だから苦戦しています。
けど、そんなドトールコーヒーを支える立場になってる星野珈琲店は正反対のビジネスモデルですよね。「高くて」「時間がかかって」「ゆったり座って飲むスタイル」で「中高年向け」に珈琲を提供しています。
この事例をみるだけでも、小さな会社が薄利多売をするのはどれだけ無謀かよくわかりますよね。現にドトールコーヒーとしても、最近では神乃珈琲という高級珈琲店の出店を加速させています。
安い価格で集客に頼るんじゃなくて、ひとりひとりにしっかりサポートして売上をあげていく。リピート対策もガッチリとる。
ぼくたち弱小企業が取るべき戦略も、まちがいなくこちらだと言えます。
田辺輝恭