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失敗=破産なのか?
「失敗したくない」
これは多くの人が思ったことがある言葉だと思います。
受験、告白、資格、人生設計など、あらゆる場面で『失敗』はつきまとってきます。まぁ、当たり前ですよね。成功の反対が失敗なんで。
そりゃーつきまとってくるってもんですよ。
で、この『失敗』ってのは、当然ビジネスでも当然つきまとってきます。
ビジネスの場面で『失敗』というと、よく想像するのが倒産だとか破産といった、撤退して身も心もボロボロになった状態を想像します。
これは、特にこれから起業するというような人ほど、思い浮かべやすい傾向にあります。
確かに零細や中小企業レベルなら、毎日ポコポコ倒産してます。どうやら東京商工リサーチによれば、2019年1月に倒産した企業は666件だそうで、負債総額は1683億7400万円になるみたいです。
こういうのも見ちゃうと、詳しいカラクリは置いとくとしても「あ〜、やっぱ破産は嫌だな〜」なんて思っちゃうのもうなずけます。
ですが、ビジネスにおける『失敗』というのは、倒産・破産の他にも、もう1つあるんですね。
それは、「もうどうにも首がまわらない、、、」つまり『デスゾーン』に入ることです。
でもって、実はわかりやすい倒産・破産といったものよりも、この『デスゾーン』に入る方が数万倍も怖かったりします。
なぜなら、デスゾーンに入ってしまうと、「こうすればもしかしたら回復するかもしれない!」という希望は完全に0%になるからです。
回復できる見込みはゼロにも関わらず、従業員の生活を確保するために働かないといけない。
回復できる見込みはゼロにも関わらず、取引先との提携上はたらかないといけない。
回復できる見込みはゼロにも関わらず、負債超過にならないように数字を操らないといけない。
破産申告をすればいいかもしれませんが、これって言うほど簡単にはできないものです。なにより、まず周りに告白することが苦しいからです。
テレビでもニュースであったんですが、エベレストの頂上に行きたくて行列待ちしてた人が、低酸素脳症でパタパタ倒れていったってのがありましたよね。
デスゾーンにいる企業は、完全にそれなんですよ。
自分がいる場所がどれだけ危険かわからないまま、ひっそりとジワジワとダメージを負っていって、「このままだとヤバイ!」と分かった時には、もうどうにもならなくなってしまってます。
デスゾーンは本当に苦しいです。
「もうダメだ」と気づいた時に、今までの成功体験だとか、会社で体験した歴史だとか、今までお世話になった人々とかが、グルグル頭を駆け巡ります。
当然、これからの生活や家族のこと、従業員のことなんかも、頭を支配していきます。
まあ、一種の走馬灯のようなものですね。
ビジネスの失敗とは、倒産・破産といった結果だけじゃなくて、デスゾーンに入っているときに味わう体験もある。
このことは、理解しておいたほうがいいかもしれません。気持ちを引き締めるためにも。
田辺輝恭
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