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先立つもののお話


能は気の長い楽しみです。

小鼓で言えば、まだ固く調子の甲高い新調の革を手に入れたら、少なくとも数年は打ち込んでだんだん柔らかくしていく。
それと足並みをそろえて、自分も上達する。
そんなところがあります。

ただ、長く続ける上で、一つ気になることがあるのではないでしょうか。
お金のことです。

能楽のお稽古は、会員制サークルのような性格があって、お月謝や会費については公開せず、直接に問い合わせないと分からない教室が多くなっています。
また、お金の話を公開でするのははしたない、という価値観もあるのかもしれません。
(私も、他の能楽師のお社中会がどういう料金体系で運営されているのか、ほとんど知りません)
なので、「古典芸能で、お高いんでしょう」と想像して、二の足を踏む方も多いと思います。

確かに、世間一般の習い事と比較して決して安いとは言えないことが多いと思うのですが、能というのはすべての要素を手作りで手間ひまかけてやっているものなので、どうしてもそれなりの価格になってしまうところがあります。

ですから、まずは体験教室などに参加されて、もし内容が気に入られたら、会費等についてはきちんと確認してから、納得の上で始められることをおすすめします。

また、「どうしてもこの先生がいい」という希望が最初からあり、その先生が体験教室などをなさっておらず、連絡先も不明の場合は、能楽師がもれなく所属している(公社)能楽協会
https://www.nohgaku.or.jp/

首都圏にお住まいの方なら、東京支部のほとんどの囃子方が所属している(一社)東京能楽囃子科協議会
http://nohgaku-hayashika.com/next_nohgaku
などにお問い合わせ頂きましたら、仲介してくれるはずです。

あまりわざわざ載せるようなことでもないかと思ったのですが、やはり大事なことなので書きました。
とにかく、何事につけ師弟納得の上で長く続けられたら、能ほど良いものはなかなかないんじゃないか、とは思っているのです。

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