子ども・子育てに寄り添う―チルドレン・ファースト
こどもの日。
古賀市はチルドレン・ファーストをまちづくりの理念とし、子どもと子育ての支援を推進しています。何を重視しているのか。財政を投じるだけではなく、いかに寄り添えるかが大切だと考えています。
その象徴のひとつが、新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言下、あらゆる自治体で公共施設が閉鎖される中、乳幼児と保護者の居場所を開き続けたこと。子育て家庭が社会から隔絶されるリスクを回避するためでした。現場の状況が把握し難い中、いかに「想像」して即応するかが勝負でした。現場の職員の皆さんには苦労をかけましたが、その後、利用する当事者の方々から直接前向きな反応をいただいています。
妊娠・出産・乳幼児期に求められるきめ細かなアプローチ。古賀市は以前から伴走を強く意識し、全ての初産婦・希望する経産婦に出産前から専門職が訪問しています。さらに、出産後には「社会が祝福し、これからの子育てを応援する」というメッセージを伝えるため、おむつなど赤ちゃん用品などを詰め合わせた「こがたからばこ」を贈っています。フィンランドのベビーボックスから着想を得ました。
教育現場では、コロナ禍前から独自の予算措置で、小中学校の全学年で原則35人以下学級や子どもを支える多様な人的配置を実現しています。さらに、制服や書道セットのリユース、数のおけいこセットや計算カードの市費での確保なども実施し、家計負担を軽減しています。
子どもの「声」を聴き、市政に反映させることも常に意識しています。私が教育長と共に、給食の時間に学校を訪問するランチミーティングもそのひとつ。
また、2022年度から10年間のまちづくりの指針である第5次総合計画を策定する過程でも小中学生からまちの未来をテーマに作文を募集し、対話集会も開催しました。今年度は各学校の授業時間を活用し、子ども版の総合計画も作ります。「1日市長」体験も続けます。これらは主権者意識の涵養につながることを期待しています。
さらに、医療的ケア児の暮らしや学びの支援、小児がん治療で予防接種の免疫を失った子どもの再接種費用の助成、経済的に厳しい妊婦さんの初回受診料の助成など、一人一人の生き方を支える取り組みも年々強化しています。
そもそも、みんなで子育てをしていくには、働き方を改善していかなければなりません。古賀市役所は男性職員の育休取得率が6割を超え、福岡県内の自治体でトップです。とはいえ、本来は100%であるべきですね。男性が家事・育児をする当たり前の社会に向けてこれからも率先垂範していきます。
なお、古賀市として政策展開が十分とは常に思っていません。ただ、子ども・子育て支援で自治体間に過当競争が起きる現実は望ましくありません。財政など置かれた事情が異なる中、本来、国が責任をもって保障すべきものが多くあります。18歳までの子どもの医療費や保育料、給食費を含む義務教育の完全無償化など、「異次元の少子化対策」の中で実現が図られることを強く望みますし、実現すると政府・国会を信頼しています。
こうした前提で、引き続き、古賀市として子どもと子育てに関わる全ての皆さんと共に、チルドレン・ファーストの理念のさらなる具現化を図っていきます。