ケルヒャー高圧洗浄機(K3サイレントベランダ)の水漏れ修理
年に1回のバルコニー掃除。
今年は黄砂が長引いたので例年より1ヶ月遅れくらいで作業。
高圧洗浄機でブワーッとデッキブラシをかけていたところ、
いつの間にか本体の下が水びたし。
水漏れ?
以前、本体と高圧ホースの接続部から水もれしたときは、
Oリングを交換(材料費100円以内)しただけで直りましたが、
今回はそこではなさそう。
本体の下をのぞいてみると。
高圧洗浄機本体のすきまから水が滴り落ちてきています。
どうやら本体内部で水漏れが起きているみたい。
7~8年使ったとはいえ、年1回のベランダ掃除くらいなので、
稼働日数はせいぜい15日ほど。
これはもったいない。修理を考えました。
水漏れ修理の方法は?
ケルヒャーのK3サイレントベランダ。
静音モデルの中ではエントリークラスになります。
2022年に新モデルが出たので、旧機種という位置づけ。
1)メーカー修理
内部水漏れでメーカーに修理依頼をすると、本体交換での対応になるようです。
iPhoneなんかと同じですね。
修理料金(K 3 シリーズ):24,200円
往復送料:1,320円×2
この金額なら、
2022に出た新モデル(K3サイレントプラス)に
買い替えたほうがいい。。。
なんとかお安くDIY修理できないかとネット検索すると
いろいろ出てきました。
内部水漏れが起こりやすい部品があるらしく、本体内部に残った水が冬季に凍結することでクラックが生じる。大体そこが原因っぽい
その部品というのは、ホースからの給水をポンプ部分に送る樹脂製のパイプ
ネットの先人方は、接着剤などを使って水漏れ修理に成功した例もあれば、失敗して買い替えた例もある
国内では交換部品を入手できず、海外から部品を輸入して交換した方も
ココナラ経由で個人で修理サービスを請け負っている方もいらっしゃる
2)水漏れ部品の交換
一番はじめに考えたのは、
クラックが生じた部品を新しいもの(または中古部品)に取り替えること。
しかし、国内でその部品のみを入手することは困難。
フリマサイトも検索してみましたが、販売中の商品は見当たりません。
本国のケルヒャー公式では、
部品の販売もあるようですが、日本への発送は不可。
部品を入手されている方は、
イギリスの家電部品専門の販売サイトから個人輸入してるようです。
部品自体の価格はさほどでもないですが、送料がかかる分費用はお高め。
3)水漏れ部分の修理
部品が国内で入手困難とのことで、
クラックそのものを修理するために皆さんいろいろと苦労されていました。
インシュロックでギュッと締める
水道水漏れ用のパテで固める
熱をかけて溶着してみる
プラリペアを乗せる・・・
ネット上の事例を総合すると、成功率は3割もなさそうです。
水圧をかけるとクラックからの水漏れが再発してる方が多い。。。
分解して水漏れ部分を確認
部品交換かクラック修理かはさておき。
まずは、本体を分解してどこから水漏れしているかを確認します。
① タイヤを取り外す
タイヤの軸部分にある切り欠きに、
ヘラや細めのマイナスドライバーを入れると、
軸のパーツが抜けてタイヤが外せます。
② 本体カバーを外す
水道ホース接続用のニップルを取り外してから、
黄色い面を下にしてひっくり返します。
カバーをとめているネジは7箇所。
トルクス(ヘックスローブ)ネジの15(T15)です。
いじり止めはついていませんでした。
ネジが全て取れたら、
表裏をひっくり返して(黄色い方が上になるように)、
黄色い方のカバーを外します。
カバーの溝に引っかかっている電源コードをとり外して、
ユニット前面にある吸音材(切れ目が入っているので脱着可)を外すと、
高圧洗浄機の心臓部が露わになります。
洗浄剤を送る透明チューブを抜くとカバーをとり外せます。
(再組み立て時のために、チューブがどこを通っているか確認)
③ 水道ホースを接続
ケースから取り出し、
水道を直結して水漏れ部位を確認しました。
やはり、頻発部位である
サクションコネクションから水漏れしていました。
徐々に蛇口を開いて、クラックの位置・形状を確認しました。
サクションコネクションは、
水道ホースからの給水を受けて、
一旦ポンプの水冷機構に水を送り、
戻ってきた水をプレッシャーコントローラーに送り込む、
というパーツです。
サクションコネクションの取り外し
まずは、給水口と高圧ホース接続部を繋いでいるパーツを取り外しました。
はめてあるだけなので少し引っ張れば取れます。
① サクションコネクションの接続ロックを外す
(用語がややこしくて説明が難しい・・・)
サクションコネクションが刺さっているこの部分、
横から差し込んだ金具でロックされています。
マイナスドライバーなどでこじると金具を抜けます。
柔らかい金属なのでなるべく変形させないように。
しかし、このロックを外しただけでは、
まだサクションコネクションは外せませんす。
もうすこし分解する必要があります。
② 高圧ホース接続部のロックを外す
高圧ホース接続部も、同じようにロック金具が使われていますので、
これを外します。
③ ハウジング&プレッシャーコントローラーを外す
高圧ホース接続部を外すことで、
6mm六角穴ボルト4本が露わになります。
かなり強く締め上げてあるので、柄の長い六角レンチをおすすめ。
カウンターで力をかけるために本体を支えるときに、
樹脂系パーツを破壊しないように注意してください。
このボルトを外すと、
高圧洗浄機の心臓部である、
プレッシャーコントローラー~シリンダーヘッドがバラけます。
④ ハウジング&プレッシャーコントローラーからサクションコネクションを抜く
一番の上にかぶさっている金属製のカバーをとりはずして、
ハウジング&プレッシャーコントローラーから
サクションコネクションを抜きます。
水漏れしないようにOリングが入っているのでやや抵抗はありますが
ゆすりながら引っ張れば簡単に抜けます。
これで、プレッシャーコントローラーがシリンダーから完全に分離できます。
⑤ モーターからサクションコネクションを抜く
モーター(水冷回路)に接続されている部分も
刺さっているだけなので、ゆすりながら抜けます。
このままだと、
グリスで満たされたシリンダーが開放されている状態なので、
乾燥したり異物が入ると厄介だと思います。
一旦ボルトを締め直して、閉鎖しておきます。
サクションコネクションのクラックを確認
本体からサクションコネクションが分離されました。
パイプの肉厚が変化しているところでクラックが入っているようです。
パイプの端からでは奥の方までは見えませんので、
クラックに内側から直接接着剤やパテを塗るようなアプローチは困難です。
¥2,000コース:水漏れ部分の修理
このクラックを直そうとしたいろんな方の修理方法を拝見しました。
内側から水圧がかかってクラックが広がったときに
水漏れが生じるようなので。
プラリペアのような固い素材で覆うだけでは、
内側からかかる水圧に負けてしまい、
クラックが広がることに抵抗するのは難しそう。
クラックが広がっても水漏れしないためには、
ある程度可塑性のあるものでクラックを覆う必要があるのでは?
しかもできれば内側から・・・
と考えて、次のような修理法を行いました。
準備したもの
液状接着剤:さらさらと流れる液体タイプを選択
プラリペア:別用途でも使うかもしれないので、クリアーを買いました(何色でもいいと思う) ※作業日現在、Amazonでは単品販売がなく割高なセットしか扱いがなかった
① 液状接着剤を内側から流し込む
クラック部分に直接塗りつけるのは難しいと判断したので
液体接着剤を使いました。
※ パイプの内側に接着剤を使いますので、水流にのって接着剤成分が剥がれて本体内に異物が流れ込み不具合をおこすかもしれません。
クラック部分を下にして、部品内部に接着剤を流し込みました。
サラサラしているので部品を傾けることで接着剤を奥まで流し込めました。
② 外側からも液状接着剤をつける
どれほど効果があるかわかりませんが、外側にも接着剤を塗っておきます。
脱脂したうえで接着剤を薄塗りし、24時間ほど乾燥させてみました。
(液状なので厚くはできない)
③ プラリペアで補強
プラリペア(武藤商事)は、
いわゆる接着剤と異なり、液剤と粉剤を混ぜて新たなプラスチックを作るという
模型業界では定番の補修材のようです。
使い方は検索してください。
クラック全長にわたってプラリペアを押し付けました。
水漏れテスト
本体に組み付けて、
ホースを接続して水道からの圧をかけてみます。
シャワーのように吹き出していたクラックから
みごと、一滴も漏れていません。
(漏れていないことを画像で表現するのには限界があるww)
もしかしたら接着剤だけで十分で、
プラリペアはダメ押しだったのかもしれません。
一応、水漏れ部分の修理は成功しました。
再組み立て時の注意点
逆順で組み上げていきますが、ボルトを締め上げるときに、
サクションコネクションがしっかりとモーターとプレッシャーコントローラーに刺さっていることや、
プレッシャーコントローラーの「青い部品」がつけてあることを確認してください。
電源コードは、クッションで巻いて
静音ダンパーの切り欠き部分を通します。
(モーターにふれるとビビリ音が出たり、最悪溶けたりするのかも)
洗剤が通る透明チューブを元の通り道を通して接続します。
カバーを閉じるときに閉塞させないように注意。
タイヤの軸を差し込むとき、マークの角度をあわせてください。
ベランダ掃除の続きを数時間やってみましたが、
水漏れはまったくありませんでした。
¥5,000コース:交換部品の取り寄せ
駄目もとの水漏れ修理だったので、
失敗したときのために交換パーツも注文していました。
spares 2 you というサイト。
ケルヒャーやダイソンの純正パーツを扱ってます。
求める部品は、
Karcher K3 Suction Connection
9.755-389.0
Web上で注文して10日ほどで着荷しました。
1個7.33ポンド(約¥1,350)に、
日本までの送料が、12ポンド(約¥2,200)でした。
(再破損に備えて2個購入)
なにかフィルター的なものが一緒に入っています。
サクションコネクションから
プレッシャーコントローラーへの入口のところに、
同じフィルター(色違い)が刺さってますので、
これも一緒に交換します。
これで、接着したところがまた漏れるかも・・・
という心配をしなくてよくなりました。
(凍結して別のところが漏れる可能性はもちろんあり)
2022年モデルのK3の収納
無事修理できた旧モデルは知人にプレゼント。
これを機に2022年モデルのK3サイレントプラスに買い替えました。
旧機種は、無印良品のPP頑丈収納ボックス(特大)に収納していました。
本体、付属品一式、さらに10mクラスのホースリール
一緒に入れてシンデレラフィット。
PP頑丈収納ボックス(無印)には入りません
2022モデル(K3サイレントプラス)に入れ替えてみました。
2022モデルは本体前面にトリガーガンやノズルを収納できますが、
このままではホースリールが入りません。
取り外すと、またもシンデレラフィット!
かと思いきや。
バンパーやホルダーの分、
寝かせたときの高さが増したせいで蓋がしまりません。
K3サイレント(旧機種) 331 x 286 x 563
K3サイレントプラス(2022) 394 x 289 x 542
ムジラーの方には残念なお知らせですが、
PP頑丈収納ボックスはこれ以上大きなサイズはなく、
2022モデルを収納できるケースは、無印良品では見つかりませんでした。
収納できるボックスのスペック
結論から言うと、
「灯油ポリタンク4本を収納できるボックス」
を選んでください。
2022モデルは(寝かせたときの)高さが39.4cm必要ですが、
PP頑丈収納ボックスでは、内寸高さが不足します。
PP頑丈収納ボックス(メーカー公式)
外寸:約幅78×奥行39×高さ37cm
内寸:約幅66.5×奥行29×高さ29cm
検索したところ、
灯油ポリタンクを収納する用途のストッカーがいくつかヒットしました。
K3サイレントプラス(2022) 394 x 289 x 542
18L灯油缶(北陸土井工業) 385 x 345 x 190
灯油ポリタンクが4缶入るサイズだといけます。
4缶を田の字で並べるのと、直列に並べるの
2パターンのサイズがありました。
いずれも、カタログスペック上は、
シンデレラフィットとはいかないまでも、
本体・ホースリール+付属品を余裕で入れられそうです。
(780サイズ)
アイリスオーヤマ 収納ケース ベランダ収納 ワイドストッカー WY-780
外寸:幅約78×奥行約46×高さ約49
内寸:69.5×37.5×44
幅に10cm弱余裕があります
(880サイズ)
Astage(アステージ) ホームボックス
外寸:W約88×D約44.3×H約44.5cm
内寸:W76×D34.5×H41cm
長さに10cm弱、幅に5cmほど余裕があります