自宅防犯カメラ② どう接続し記録するカメラを選ぶ?
自宅の新築に合わせて、防犯カメラを設置することにしました。
設置プランを考えるためにはいくつか決めなければならないことがあります。
その1つが、カメラへの配線。何をどう接続するか?
いくつか方法があるので比較してみます。
外部と通信しないカメラ
カメラと外部で通信をせず、
カメラに内蔵したSDカードに記録して必要時取り出して確認する。
というタイプのカメラがあります。
画像を遠隔で見ることはできず
毎回カメラからカードを取り出す必要があります。
カメラ本体が破壊・盗難されたら、映像は失われます。
一時的な使用や、動物被害の監視など用途は限られるかと思います。
記録や見守り目的であれば、
録画機や家庭のネットワークとカメラとを
何らかの方法で接続して通信することが必要になります。
同軸ケーブルで接続するカメラ
従来からある方法になります。
歴史的に、工場や会社・スーパーなどで使われる業務用途がほとんどです。
もともとの防犯カメラは、
アナログカメラから旧来のアナログテレビレベルの画質を送る
CVBS(NTSCやPAL)という規格の信号で、
映像をビデオテープに録画するというスタイルでした。
時代が進んで、カメラや録画機は徐々にデジタルに置き換えられ、
同じく同軸ケーブルを使って伝送でき、既存の規格と混在させやすい
AHDや、HD-SDI、EX-SDIなどの規格ができました。
カメラ一台につきそのカメラ専用のケーブル1本を
録画機(DVR)まで引っ張る必要があります。
その分通信は安定してセキュリティも確保されます。
ケーブル1本で、カメラの電源(PoC)や制御信号を送ることも可能です。
IPカメラ
業務用途がメインだった同軸ケーブルでの接続に対し、
業務用途にとどまらず小規模店舗や一般家庭用としても急速に普及しているのが、
パソコンやスマホと同様にネットワークで接続する
IPカメラ(ネットワークカメラ)です。
管理のためにネットワークの知識が必要だったり、
遅延やコマ落ちが起きる可能性があるなどの特徴はありますが、
カメラ専用のケーブルをひく必要がなく、
Wi-Fi環境や家庭内LANがすでにあればそれを利用できるのは大きなメリット。
IPカメラの通信についてはONVIFという規格があります。
ONVIF準拠のカメラや録画機(NVR)では、異なるメーカー同士でも
映像・音声のやりとりや、パン・チルト・ズームといった
基本的なカメラの機能や操作はできるようです。
IPカメラシステム=高価というイメージがあったようです。
現在は、国内メーカーよりも半分以上お安い海外メーカー製品が
通販サイトや量販店で容易に入手できるようになっています。
スマホやノートパソコンのようにWi-Fi(無線LAN)で接続する方法と、
LANケーブルで有線接続する方法があります。
Wi-Fi接続の特徴
通信のためのケーブルは不要なので、
特に既存建物への設置がより簡単にできます。
電子レンジや近隣電波の影響で通信が不安定になることがあります。
また、最近の高性能住宅で用いられる
遮熱断熱機能を持つ金属膜を挟んだLow-Eガラスや、
外壁に用いられるアルミ蒸着の防水シートが、
通信電波を遮ってしまうこともあるようです。
また、通信は無線でも、結局何らかの方法で電源の確保は必要です。
安定して駆動させるためには100V電源を接続します。
ソーラー電源やバッテリーを搭載して、
完全ワイヤレスを実現しているカメラもあります。
LANケーブルでの有線接続の特徴
無線と比べてより安定して通信ができます。
同軸ケーブルでの接続と違い、
すでにある有線LANネットワーク設備があれば、相乗りできます。
しかし、屋外に電源コンセントはあっても、
LANケーブルを屋外まで引き出している住宅は少ないのでは?
エアコンのスリーブに通す、隙間ケーブルを使う、
内外壁間に穴を開けるなど、
既存住宅では少々ハードルの高い工事になります。
LANケーブルでの有線接続の大きなメリットとして、
カメラ電源を一緒に送れる(PoE)ということがあります。
電源
カメラを動かすには、当然電源も必要です。
数か月単位で充電が不要なバッテリー内蔵カメラや、
ソーラーバッテリー搭載のカメラもあります。
バッテリーの充電や劣化による寿命の問題はつきまといます。
電源についても、可能であれば有線の方が安定した運用を期待できます。
100V電源
コンセントからの電源です。
多くの住宅で外部コンセントがあるので、
既存の住宅でも確保しやすい電源です。
通常、ACアダプタを介してカメラに接続するので、
接続部を収納するためのボックスが必要になります。
PoE (Power on Ethernet)
LANケーブルでの接続に電源を重畳させる方法です。
PoEに対応したスイッチ(ネットワークハブ)やNVRでの接続のほか、
PoEインジェクターを使って、LANに電源を重畳させることもできます。
規格も決まっているので、メーカー間の相性も考えなくてよさそうです。
安価な1本のケーブルで、通信と電源がまかなえるわけですね。
NVRと複数台のカメラ・LANケーブルがセットになったものが、
大型店で山積みになって販売されているくらい、
身近な商品ジャンルになりつつあります。
動画・画像の記録
単なる見守り用途なら必要ではないですが、
防犯・監視目的であれば、映像の記録を残す必要もあります。
メモリカード
カメラ本体に内蔵したSDカードに保存する方法があります。
カメラと外部の通信が必要ないのがメリットですが、
映像を確認するために、本体からカードを取り出す必要があります。
本体を破壊・盗難されれば、データごと失われます。
また容量が少ないために、画質にもよりますが数日程度しか記録できません。
クラウド保存
自宅外から映像を見られるIPカメラの多くは、
映像データをいったん外部サーバーに送って、
そこからインターネットを経由してスマホから映像をみられる仕組み。
仲介する外部サーバーで保存もしてしまおうという方法。
破壊・盗難に対するセキュリティ的には万全です。
スマホから映像を見るだけなら無料ですが、
クラウドで保存すると課金が必要になる、というサービスが大半。
NVR
自宅ネットワーク内にHDDを内蔵したレコーダー(NVR)を置いて、
そこに各カメラから送られてくるデータを録画します。
環境さえ整えれば、月額料金のような永続的な費用はかかりません。
映像の再生にもインターネット回線を使わなくて済みます。
わたしの選択
外出先からも映像を見たいのでIP接続は必須。
Wi-Fiやソーラー電源も迷いましたが、
安定性とせっかく新築と同時なので、外壁にLANケーブルを通して、
PoE対応のIPカメラを採用することにしました。
データの保存はNVRで。
大容量のHDDを取り付ければ、好きなだけ録画データを残せます。