(2020年5月@シンガポール某所)
目の奥がなんだか重いのは毎晩のこと
誰かに心配されたい前フリでもなく
原因だって知りたいわけじゃない
声にならぬ思いを
記されなかった記憶を
そこはかとなく叫んだとしたら
仮に
仮にとしよう
その振動がきっと
越えて
伸びて
気付かれないように
目立たぬように
仮にラップ音にでもなってさ
あなたの寝息とはじけて混ざればいい
そう思えたらなら
寝たら、いい
瞼が閉じるその前に
失くしたくなかったような
だけど恥ずかしくて
掻き消したような
そんなイメージを
仮に抱くとしよう