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サブスクリプションの課金部分の仕様・UI設計のポイント
こんにちは。TAM UX/UIチームでUXデザインやPMをしています、三内です。
サプスクリプションモデルのUIプロトタイプに関わる中で、サービスの体験設計そのものではなく、課金やサービスの申込、契約、料金の支払い周りについて検討する必要がありました。
サービス体験のコアな部分ではないですが、料金の仕組みは仕様によってマイナスな印象になるケースがあります。サービス設計やシステムの仕様検討の際に、他社サービスを比較検討する中で気づいたことを、2点ピックアップしてお伝えします。
また、ネイティブアプリ開発の際、アプリ内課金に「する」「しない」の想定にかかわらず、App Store、GooglePlayのガイドラインに合わせる必要があるので、その点と合わせてご紹介します。
契約期間、サービス開始、課金開始のタイミングを考える
服や家電など、郵送を伴う「もの」を提供するサブスクリプションの場合は、サービス開始・課金をどのタイミングにすればよいのかが、議論になりました。
案としては
1、申込時点(「もの」が届いてない)
2、「もの」を発送する時点
音楽配信や動画配信のサービスなどのオンライン利用できるサービスは、即時利用となるケースが多いですが、配送を伴うサービスの場合は、商品が到着するまでの期間があるので、その点を考慮する必要があります。
合わせて、課金のサイクルを1ヶ月に設定する場合に、例えば月末締めなどの日付を持つのか、ユーザーの加入日によって、異なる形にするのか(1/7に開始の場合、2/6までが1ヶ月間)なども、検討しました。
いつくかのサービスを調べた中で、ダイソンの家電レンタルは、発送日を課金する日としていて、さらに暦の1ヶ月を契約期間としていました。なので、初月は締め日までの日割り計算になるようです。
ダイソンテクノロジーサービス
引用:ダイソンテクノロジーサービス
https://www.dysontechnologyplus.com/
私が利用者だったら、商品が到着しない状態で課金が始まるのは少し違和感ありますが、到着日を把握するのが難しいケースもあるので、そのあたりを考慮した結果かもしれません。
また、BtoBのサービスの場合に、クレジット決済ができない場合があり、銀行振込になる場合がありました。その際、サービス開始を申込のタイミングにするのか、振込手続が完了した場合にするのかの検討をおこなったケースもありました。
サービスを一時停止したい場合を想定する
食品の定期配送の場合は、一定量の食品などの場合、旅行による長期のご不在など、都合に合わせた調整が必要になるケースがあったりするので、一時的なお休みが必要になります。調べたサービスの中では、月単位のキャンセルができるケースが多かったです。
ミールキットの宅配サービス【公式オイシックス】
引用:ミールキットの宅配サービス【公式オイシックス】
https://www.oisix.com/shop.kounyuu--oic_intro_shinki_kit__html.htm
食品の宅配サービスの場合は、一時停止には対応しやすいですが、例えば、大型のソファーなどは一時停止は難しいので、そういう場合は、返却の手続きを行う形になり、配送料などはお客さま負担にするケースや、最低のレンタル期間が設定されていて、期間に満たない場合でも、一定期間の料金を支払う必要があるケースなどがありました。
一部の定期サービスは、一時停止がなく、停止したい場合は、サービスの解約が必要になるケースもありましたので、このような状況は見落とさずにサービスやUIの設計に組み込む必要があります。
ネイティブアプリで、アプリ外課金を行う場合の注意事項
App StoreやGooglePlay経由で課金する場合は、手数料が30%必要になります。上記はアプリ内課金を行う場合で、アプリ外課金は手数料はかかりません。
ただ、App Store Reviewガイドラインには、下記の説明があります。
上記の通り、アプリのコンテンツ、コンテンツ、機能、ゲームなどのコンテンツはもちろん、動画や漫画の読み放題系のサービスは、App内課金の対象になっているようです。
そのため、動画配信サービスの「Netflix」はアプリからはログインのみが可能で、申込手続きは一切できなくなっています。
逆に、Appの外部で使用する物理的な商品やサービスと考えられる「DiDi」 などの配車サービスのアプリは、アプリからクレジット決済ができるようになっています。
サービス設計やUIプロトタイプの作成を進める際に、上記のような部分を事前に想定しておけると、設計後の戻りを軽減できると思います。
まとめ
以上、最初の2つ
「契約期間、サービス開始、課金開始のタイミングを考える」
「サービスの一時停止の場合を想定する」
は、
・料金プラン
・プランのアップグレート、ダウングレード
・サービスの追加
・請求タイミング
・トライアル、プロモーション
・サービスの更新、解約
など、さまざまな状況が発生するので、それぞれの状況に合わせた対応が必要になります。
いずれにしても、このような、サービス開始などを含むスケジュールについても図解するとよく整理できます。
また、3つ目の「App StoreやGooglePlayでアプリ提供する場合で、アプリ外課金を行う場合の注意事項」についても、サービスのビジネスに大きく影響がでる部分なので、事前の検討ができると良さそうです。