大正11年4月23日

大正11年(1922年)4月23日に天狗堂海野製パン所は誕生したと言われている。茶色のレトロなレンガ造りの店舗が、時代を感じさせてくれる。

お店の屋根のところに、「TEN GUDO」と英語で書かれているのが、ハイカラで格好いい。そして、ローマ字のOの文字の上にある伸ばし棒は、ちょっと可愛らしい。

「この伸ばし棒は、フランス語のアクサンシルコンフレックスっていうんだよ」と知り合いの方に教えてもらった。私は、最初、「てんぐどー」という風に表記するローマ字のマクロンだと思っていた。しかし、マクロンだと表記は真っ直ぐな横棒になる。実際、Oの上の伸ばし棒は、ブーメランのようにくねっとなっているので、やはりアクサンシルコンフレックスなのだろうか。仮にそうだとしたら、その後にくる「BAKERY」が英語というのも何か不自然なようにも思えてくる。どっちなのだろう…

天狗堂海野製パン所

写真を見てあれっと気づく方が多いと思うのだが、店舗の二階に天狗のお面が3枚飾られている。三条通りを隔てて、対岸側の歩道から見るとしっかり確認できるのだが、何かオーラーが出ているようにも感じる。これらは、初代店主の海野忠吉さんが旅先で購入してきたものだという。近くで見るときっと立派な天狗のお面なのだろう。3枚のお面に見守られるように、今日も三条通りを行き交う人々がパンを買って行く。


■天狗堂海野製パン所
住所:京都府京都市中京区壬生中川町9
電話:075-841-9883
定休日:日、祝

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