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ファーストアルバム

先日、京のパン屋さんシリーズ、初の小冊子が完成した。

振り返れば、私はライフワークとして、2012年頃から京都のパン職人さんをフィルムカメラで撮影してきた。パン職人さんが働いている姿や、厨房の雰囲気、店頭に並ぶパンなどをパン屋さんにお願いして取材させてもらっている。


どうしてパン屋さんを取材しているのか?

この問いについての答えは、「 そもそもパンが好きだったから 」

パンをよく食べ始めたのは、おそらく小学校の頃からのように思う。給食で出てくるパン。休みの子がいてパンが余っていたり、女子からパンを食べてと言われたりすると喜んで食べていたような記憶がある。

時を経て、京都の大学に通うようになってからは、友達を誘ってパン屋巡りをしていた。その時に知ったのが、京都はパン屋さんが多い町なんだなぁということだった。大学生活を終えてからは、京都府城陽市にある給食の会社に就職することに。

それからは、一日のほとんどを厨房に立って料理をする生活が続いた。朝は5時半頃に起床して出勤する。なかなか忙しい毎日だった。休みの日は、カメラを持って撮影に出かけることが多く、写真への憧れが高まっていった。

そんなある日、「 大好きなパン屋さんは、どんな風にパンをつくっているんだろうという興味が湧いてきて、写真でそれを表現できたら 」という気持ちが高まって、独立することにした。

独立するにあたって最初のやりたかったことが、京都のパン屋さんを取材することだった。小さい時からのパン好きが高じて、今でもフィルムカメラで撮り続けている。


ファーストアルバムということは初出版ということ?

正確には初出版ではない。私が初出版した本は、2015年に青幻舎から『 京都の手づくり市- 出店写真家が出会った。つくる人・こだわりのモノ 』という本だ。

その頃、私はまだ駆け出しの頃だったので、当時のベストを尽くして撮影・執筆したのだけれど、今になって本を見返してみると、技術的な面でいろいろと恥ずかしくなる。

そうは言っても、市の出店者(私)目線で手づくり市の出店者さんが出店にいたった理由や、ものづくりに対する思いを取材できたので、とても興味深い内容になっている。こちらも機会があれば、ぜひ手にとって欲しい一冊である。


それでは、何がファーストアルバムかというと、「 京のパン屋さん 」シリーズでのファーストアルバムということだ。小冊子の中には、昨年(2019)、京都市左京区のマヤルカ古書店で開催した『 京のパン屋さん〜大正製パン所編 』で展示したフィルム写真が収録されている。

大正製パン所さんは、2015年くらいから撮影させていただいて、足しげく通ったパン屋さんの一つだ。去年( 2019 )で100年目を迎え、店内や厨房の中には趣のある雰囲気が漂っている。

大正製パン所2

( 写真:大正製パン所のある風景 )

写真は中判のフィルムカメラで撮影した写真で、厨房内に積まれた木の番重( ばんじゅう )にピントを当てた写真。

朝のパン屋さんは、ほんとうに忙しい。そのような中、何回も撮影に協力してくださった大正製パン所さんには感謝している。と、言葉にするとなんだか軽い言葉に聞こえてしまいそうなのだが、おかげさまで小冊子という形にすることができた。

現在、大正製パン所や恵文社一乗寺店、マヤルカ古書店、レティシア書房、待賢ブックセンターで販売しているので、行かれる機会がある方はぜひ手にとって欲しい。(数に限りがあるので、売り切れの場合はご了承ください)

小冊子を読んでからパンを食べてみると、また違った風味が楽しめるかもしれない。

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遠方の方で、もし小冊子を発送して欲しいという方は、田村寫眞館の公式ホームページのお問い合わせフォームからお問い合わせいただきたい。

■田村寫眞館公式ホームページ

https://www.tamurashashinkan.com

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