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『雑文集 田村真夏』生活の美しさにはっとして後ろ暗くなる

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<< 夏をごまかさない

 自分の部屋をはじめて美しいと思った。朝陽が射してくる東向きの窓。ベランダに面したところに置いたベッドのふわふわした感じ。猫がくつろいでいるとなお美しい。シャツを室内干ししているプラスチックのハンガー。狭いキッチン。廊下。玄関にまとめてある飲んだビールの空き缶。生活は美しい。外にかけてある10連ハンガーが風にゆれて、近くの家の子どもが遊ぶ声が聞こえる。

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406字
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作家・文筆家「田村真夏」が、これまで16年間書いてきたエッセイ・日記をリライトし、まとめたものです。一直線ではいかなかった半生を描きました…

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