人生の乗り物
私たちは人生を旅する存在であり、その旅には乗り物がある。ロバート・フリッツはYour Life as Art第13章「人生の乗り物」で、この乗り物という概念を紹介している。乗り物とは、人生を進めるための手段であり、私たちは無意識のうちに、いくつもの乗り物を使い分けながら生きている。
2月の創造プロセス倶楽部では「人生の乗り物」をテーマに探求します。
私たちは日常的に乗り物を使い分けている
例えば仕事をしているときの自分は「職業人」という乗り物に乗っている。家庭では「親」という乗り物、友人との会話では「気のおけない仲間」という乗り物に切り替わる。さらに、趣味や創作活動をするときは、また違った乗り物に乗っているはずだ。人はこのようにして、いくつもの役割やスタイルを持ち、それぞれにふさわしい乗り物を選びながら人生を進めている。
乗り物は自分ではなく、人生を進めるための手段
興味深いのは、乗り物は自分自身ではないということだ。私たちはしばしば職業や役割を自分のアイデンティティと混同しがちだ。しかし、それらはあくまで人生を進めるためのツールにすぎない。つまり、職業、肩書き、社会的立場は手段であり、目的ではない。しかし多くの人はこの区別を曖昧にし、手段そのものを目的化してしまう。例えば昇進することや会社で認められることを人生の目的にしてしまい、本来の望みが見えなくなることがある。
乗り物は自分で選べる
乗り物を意識的に選ぶことができると、人生の可能性は広がる。
マドンナは自分を何度も再創造することで知られるが、それは彼女が新しい乗り物を創ることに長けていたからだ。パンクロッカー、マテリアルガール、黒髪のミステリアスな女性、カウガール。彼女は次々と異なるペルソナを創りながらも、変わらぬマドンナとして存在し続けた。乗り物を巧みに使いこなした好例といえる。
人生の乗り物をアップグレードする
もし私たちが人生の乗り物をもっと意識的に設計し、使いこなせるようになったらどうなるだろう。例えば、リーダーとしての乗り物をより効果的に機能させるために、必要なスキルや姿勢を身につけることもできる。クリエイターとしての乗り物を磨き、自分の表現の幅を広げることもできる。乗り物を見直し、より良いものへアップグレードすることが可能になる。
自分を自由にする道具としての乗り物
乗り物は私たち自身を縛るものではなく、むしろ自由にする道具である。だからこそどんな乗り物に乗るのかを自分で選び、時には新たな乗り物を創り出すことが重要だ。人生の旅をより豊かにするために、今乗っている乗り物を見直し、より自分らしく、効果的に使えるようにしていくことができる。