第12週 / 難民急増と日本人の意識なき差別 / 無意識をデータ化する保険事業 / 詳細なデータ開示が公正さを生む /(2020/08/23-08/30)
こんにちは。猛暑日が続きます。
安倍首相がとうとうお辞めになることが発表されました。
自民党が政権に返り咲いてから7年8ヶ月の長期政権でした。お疲れさまでした。
会見を見ていましたが、コロナ禍でなくなった人へのお悔やみ、北朝鮮問題を中心とした安全保障、ロシアとの平和条約や憲法改正、拉致問題を中心に話されており、安倍首相が力を入れていたことが垣間見ることができました。
反対にいえば、会見で述べた政策は、今後は減速する可能性もあると示唆できます。
将来の富を先食いしているとも言われているアベノミクスは、普通に考えれば税金を使い負債を返していく必要があります。
更にお金を擦り、インフレで財政破綻へ進むというシナリオも妄想できますが、そうなっては欲しくないものです。次の首相の舵取りに注目したいと思います。
どうやら、日銀が年内にも日本市場最大の株主となるようです。購入した株の行く末が気になります。
株価を支えているのは日銀であるのは明らかです。
また、政府の株価を維持するための円安誘導は、主力産業である自動車業を中心として、輸出業は一時的には恩恵を得ますが、外貨建てでは日本の金融資産は日本人が感じる株価ほど、上がっていないということにも言えます。
といいつつも、僕自身は、そんなマクロ動向を正直気にしすぎてもしかたがないので、今後もぼんやりとnoteにメモをする程度の趣味がてらに注目して、粛々と事業を進めていたいと思います(笑)
それでは今週もよろしくお願いします。
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ミャンマーで3年も続く紛争により、ロヒンギャ難民がバングラデシュへ逃れて難民生活を送っている。難民を受け入れるバングラデシュもコロナ影響で自国民を優先とする施策をとり始めている。
現在の世界の難民はおよそ7950万人。ミャンマーだけでなく、シリアや南スーダンなど各所で内紛が続いていおり、難民の数は増加している。
そもそも難民とは何か。
難民の定義は国連難民高等弁務官事務所によると、「迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々」
難民が増えている理由は、上記の問題が拡がっていることが原因。
人道的には難民を受け入れたほうが良いのだが、受け入れは進んでいない。その中で他国に比べて圧倒的に受け入れ数が少ないのが日本である。2018年のデータによると、ドイツが110万人に対して、日本は42人(ちなみに受入数1位はトルコで370万人)。
日本は、不正に難民受入を進めるブローカーの存在などの問題がもあるが、難民に対しての関心の低さが影響があると言われている。「ネカフェ難民」「就職難民」「介護難民」「買い物難民」など、意識なくメディアでも難民が言葉により差別されている。
一方で、難民受入を前向きに進めているメルケル首相のドイツでは2015年に「ケルン大晦日集団性暴行事件」と呼ばれる、大規模な難民が中心として起こした事件が起きたり、同年パリでの同時多発テロでも容疑者に難民が含まれていたりと、難民に対してはネガティブな国民感情が生まれている。
実際に難民は犯罪率増加の主因となっている根拠はないようだ。
難民としてたどり着いた日本でシャン民族料理を営む72歳のオーナー、ハンウォンチャイ・スティップさんの凄まじい人生を語る記事。SNSで拡散されていた。
基本は島国であるが故に、国民の難民への興味関心が低いが、世界で紛争がある限り難民は増加する現実がある。日本だけでなく、世界各国でも自国民を優先がコロナにより加速し、以前より難民の受入がより難しくなっている。
矛盾する世界の現実に目をそらさず、誰もができる小さなことはないだろうか。少しでも難民を知り意識して生活をすることで、差別を無くする言動や、小さな募金ができる機会が増えるかもしれない。
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Alphabet(Google)が保険事業に参入。
年齢や将来の家族構成、親類の病歴等という、おおまかな情報により加入が勧められてきた保険も、きめ細やかな個人データにより、個人に最適化された保険商材の開発が加速する。
ヘルスケアデータ事業はGoogleがFitbit買収がEUの承認を得て、買収が成立したことからもわかるように、厳格なプライバシー管理は必須となる。
仮にGoogleやAppleなどの米国企業に世界中のヘルスデータが集中する場合、プライバシー管理はさることながら、独占禁止法の議論や、各国の医療技術の促進への影響も問題が起こるかもしれない。
また、日本人の医療データが、海外法人のほうが豊富に保有するケースも発生するかもしれない。
日本国内では、2019年11月にSOMPOホールディングスと、ピータティール率いるPalantir Technologies(米国)が、国民総保険の日本という環境を強みとした、ヘルスデータ企業を設立している。
今まで困難だった体内データや行動データのリアルタイムでの収集が、技術の発展により可能となりつつある。イーロン・マスクはNeuralinkを設立して、脳のデバイスを埋め込み脳内の情報を収集し、記憶喪失、不安、脳の損傷、うつ病等を解決しようとしている。
人間の無意識がデジタル化し理解が進むことで、様々な医学的な問題が解決する。倫理的な問題も並行して行われつつも、技術進歩にで誕生する産業は後戻りすることはないだろう。
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ハフィントンポストによるオードリー・タンのインタビューが面白かった。
特に興味深かったのが「情報公開のリスク」について。
台湾政府が地理的に脆弱が示すデータを提示したところ、危険区域となる地域は土地の価格が下がってしまうので、地方自治体から抗議を受けた時に、建物レベルまで公開することで最終的な合意を得たとのこと。
データはより細かく開示することで公正を保ち利害関係者に確認することは、人々を納得させ不安も解消する方法だ。説明から逃げると、都合の悪い情報は隠して進めると、国民からの信頼もさらに落とすこととなり、データ提供を要請することも難しくなる。
国民を裏切り続けている国家は、説明によるデータ収集も難しい。よって強制的な要請をすることにより、強引な管理を勧めざる得ない。
また、信頼なきままに民主化が進んでしまった国家は、国民の顔色を見ながらの要請となり、様々な批判を受け止めながら進める力が必要となる。
台湾は独裁政治が続いていたが、李登輝氏により民主化が進み、1996年の総選挙が行われた。
民主化を勝ち取ったという空気がまだ台湾に残っていることも、他国に比べて、市民が現政府へ安心感がある理由だろう。
経済面では、台湾経済は中国に頼っており、民主化を進む台湾と中国は、微妙な関係である。
その中で、中国は香港に続き、台湾へも強硬な姿勢を取ることを鮮明にしている。
台湾の先進的な政府のデータマネージメント思想はどこまで続けられるのか。
いつまでもオードリー・タンをリーダとした市民を中心とした政治思想は失わず、先進的な仕組みの発信を続けて欲しい。
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以上です。それでは来週もお願いします。
9月も暑いようなので、水分補給を忘れずにお過ごしください。
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