2019/05/05 日曜日 - 「生涯投資家」を読んで
日記、99日目。
村上世彰氏の「生涯投資家」を読み終えた。
コーポレート・ガバナンスとは、投資先の企業で健全な経営が行なわれているか、企業価値を上げる=株主価値の最大化を目指す経営がなされているか、株主が企業を監視・監督するための制度だ。
従業員の給料や地位は労働法によって保障されている。取引先は契約によって担保されている。ところが株主は、会社が倒産の危機に陥った時すべてのリスクを負わなければならず、場合によっては投資した資金の全てが戻ってこない。そういった意味で、企業が生む利益のみならずリスクも全部背負う株主が、投資した資産をいかに守るかということがコーポレート・ガバナンスの根源だ。
村上氏の体験を基に、コーポレートガバナンスが日本企業、および日本経済を活性化させるための重要性について書かれていた。
しかし日本の経営者には、「株主から委任を受けている」という感覚が希薄であり、上場企業の社長であってもプライベートカンパニーのオーナーであるかのごとく振る舞うケースが見受けられる。
アメリカの上場企業の経営者は常にこのように、株主の厳しい目にさらされている。ファンドなどの株主自身が取締役に就任することも、珍しくない。経営者は、株主の期待に応える結果を出すか、出せないならなぜ出せないのかを説明し、納得してもらう必要がある。それができなければ、経営者の立場を追われることになる。
株主から資金を預かっている経営者にとっては、気が引き締まるような言葉。
社員のことを考えつつ、株主価値も上げて行こうと考える、経営者としての真摯な葛藤があったのだろう。
経営者は、株主、社員、顧客、そして法律などの国の方針などを見ながら、葛藤して事業を進めていく必要があり、この葛藤の中で、企業価値向上させるアクションがとれるかが、大切な役割である。
僕はこの本を読み、経営者であり続けるには、主に事業戦略についての第三者(株主や社員)へ説明責任力と、多くの関係者を巻き込みながら事業を推進できる能力を高めなければいけないと、自分へ問い直すきっかけができた。
また、村上氏のことは、メディア経由でしか知らなかったが、この書籍から
コーポレートガバナンスに必要性に対しての一貫した想いが伝わった。
2017年6月に出版されたの本なので、今更感がありますが、特に外部株主の中で企業の運営をしている経営者には、お勧めしたい本です。