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ふつうに暮らすという贅沢(うつのお話)

私が27歳の時にトナカイと結婚する前から、私のうつは始まっていた。
それから10と余年ほど、私の頭の中は負の思考のみが1コンマも途切れずに支配していた。

本当に真っ暗な世界の底なし沼の底よりもっと深くに、このまま一生いる気がして、生きているだけでやっとだった。

でも、実家の家族の大きな協力を得て、また、私のうつに合うお薬を処方してくれ、うつ病をとてもよく理解しているクリニックの医師に出会ったのもプラスし、また、とてもいいカウンセリングの先生との出会いもあり、やっとテレビを見て声を出して笑うことが出来るようになった。

私の頭を支配していた負の思考も、自分なりの行動療法で徐々になくなってゆき、正常な判断が自然に出来るようになっていった。

そうして、一時期離婚の危機にあった私とトナカイも、無事にふたりで暮らせる日々が戻った。

それでもまだPMS(月経前症候群)での精神的不安定さに苦しんでいたが、そのことをクリニックの医師に話し、「いいお薬ありませんか?」とお願いして追加してもらったお薬が、医師も驚くほどに良い効果を見せた。

薬を飲まずに生活することは不可能だけど、それでもトナカイとの暮らしがとても穏やかで、ふつうの、そう、本当にふつうの平穏な日々を暮らせるようになった。

お薬を一生飲み続けなければいけないとしても、私は今、この手にしたふつうの生活を手放すことは考えられない。
たとえ一生うつをかかえて生きるとしても、私はしあわせ。
ふつうに暮らすことが、今、こんなにもしあわせなのだから。

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