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Ubie社内では生成AIをどう利活用されている?事例を大公開!

この記事は #Ubie 生成AI Advent Calendar 2024 19日目にエントリーしています。

こんにちは、Ubie コーポレートエンジニアのtamosan(https://twitter.com/tamosan_01)です。社内IT基盤の整備や業務生産性の向上について、コーポレートエンジニアリングチーム(CET)の一員として推進しています。
今回のアドベントカレンダーで、1回目の記事では再燃したきっかけ、2回目の記事ではその育ち方についてお伝えしてきましたので、3回目ではより具体的な利活用の内容とその効果について他のUbie生成AI記事と絡めながらご紹介していきます。

Ubieで利用している生成AIソリューション

まずは、弊社が活用している生成AIソリューションの一部をご紹介します。(他にも利用しているものがありますが、分量の都合上割愛します。)

Dev Genius(通称Dev爺)

社内で開発された生成AIツールです。Chat GPTなどの生成AIをAPI経由で安全に業務利用できるプラットフォームであり、o1、GPT-4o、Claude、Geminiなど複数のAIモデルに対応しています。音声会話の文字起こしや保存、Slackからの呼び出し、プロンプトのテンプレート機能など、業務に特化した機能を提供しています。

さまざまなモデルやプロンプトプリセット、機能を利用できるトータルサービス

Notion AI

Notionに統合された生成AI機能です。Notion内のデータ、Slack、Google Driveなど広範な情報源へのアクセスにより、ユーザーがナレッジ保管場所を知らなくてもトータルで検索し、高精度な回答を実現しています。またアイディアや簡単な指示から文章作成・編集もアシストしてくれます。
実は弊社では2023年12月に一度導入検証をしたのですが、その際は求める精度を得られず先送りとしていました。しかしここ最近の精度、機能が格段に向上されていることから、今回改めて検証し導入する判断をしています。

労務での利活用事例をSlackで展開

Notebook LM

Google社が提供されているLLMソリューションで、利用者が収集してきた信頼できるデータソースをもとに情報をまとめることができます。専門的な資料をわかりやすく要約する用途などに活用されています。まとめた情報のソースが明示されるため、ユーザーがソースをチェックしハルシネーション回避する業務を効率よく遂行できます。

Miro AI

オンラインホワイトボードのサービス「Miro」に搭載されたAI機能です。何らかアイディアがあった場合に、Miroのオブジェクト形式を指定して、アイディアや必要な情報をプロンプトにインプットすると指定オブジェクトに沿って素案をアウトプットしてくれます。

Miro AIで社内ITの課題をブレストしたいと伝えると、素案を作成してくれる(再掲)

Perplexity

Webサイトを検索して情報を整理してくれるサービスです。画像プレビューや情報整理された文章の表示など、検索した結果がユーザーに視認すい形でアウトプットされます。また専門分野の知識も理解しやすい形でまとめられ、ソースも明示されていることから探索の深掘りも容易です。

具体的なユースケースともたらされる効果

ご紹介したサービスから、弊社でよく使われるケースの一部をご紹介します。生成AIサービス単体で利用するケースもあれば、複数の組み合わせによって得たい効果を得るケースもあります。

Dev爺: 音声のリアルタイム文字起こし

弊社のDev爺にて、先日の @sys1yagの記事 にて録画データを文字起こしするご紹介がありましたが、類似機能としてリアルタイムでも音声の文字起こししつつ、リアルタイムで要約をすることが可能です。
この機能を利用して、社内Mtgでは話すことに集中しつつ、最後にリアルタイムで要約された内容をNotionやSlackなどに貼り付けて大事な点を少し整形したら議事メモの出来上がりです。従来、15~30分かかっていたものが1分で完了します。
記憶が新しいうちに、文字情報でお互いの認識齟齬を解消しつつネクストアクションが打てるため、非常に有効です。

生成AIをNewComerに利用してもらうためのインタビュー結果をすぐに展開

Notion AI: 会議アジェンダを事前情報収集しながら作成

会議の準備が大変!という時も、その前提情報はNotionやSlackに格納されていることが多くあります。その場合はそれらの情報を横串で検索して整形してくれるNotion AIを利用します。
Mtgの目的はもちろん決まっており、そのゴールに向かってどういう情報が課題(あるいは課題仮説)として存在するのか一次情報をNotion AIに問い合わせつつ、その指示の中で「その課題(仮説)を解消するためにMtgをアレンジしたく、アジェンダを作成してください」とすることでアジェンダ素案を作成してくれます。
このユースケースでは、アジェンダ作成時間が30分から2分程度に短縮されています。

Notion AI: オンボーディングにおける情報検索ツール

オンボーディング時の強力なサポートツールとして活用されています。医療用語や専門用語の理解から始まり、気軽に質問できる環境として重宝されています。特に、誰かに質問する前の情報収集ツールとして活用され、自己学習の連続性を保てる点が評価されています。
1時間に数回利用するほど頻繁に活用され、情報がない場合はその旨を明確に示してくれる点も有用とされています。また、Notionの情報検索においては、AI機能なしでは目的の情報にたどり着くことが困難という指摘もありました。疾患関連の質問はDevGeniusに、その他の一般的な質問はNotion AIに振り分けるなど、用途に応じた使い分けも実践されています。

サービスを横断で検索して回答してくれるのは便利

また他のケースで明文化されSlackやNotionに格納された情報についても、Notion AIによって検索することが可能になるため、生成AIによって情報格納を促進し、生成AIによってそれを引き出しやすくするという情報透明が推進されていきます。情報透明についてはぜひこちらの記事をご参照ください。

Notebook LM x Dev爺: 調査データをもとに壁打ち

信頼できるデータソースからの情報収集が得意なNotebook LMに、一次情報を抽出してもらいます。その後、プロンプトのプリセットが可能であり、豊富なモデルを選択して利用可能なDev爺にその一次情報を渡して壁うちをするケースがあります。
例えばある分野の公開されているガイドラインについて、XXという観点での見解をNotebookLMにてまとめてもらい、その情報をもとに弊社でのXXに関する情報の取扱指針について会社の状況を踏まえてどう判断・整備するかをDev爺と壁打ちしながら素案を作成するなどです。

Miro AI x Dev爺: KPT振り返り会の開始からサマリ

Miroにてよくカード形式で施策の振り返りを実施されるケースが多くあると思いますが、そのテンプレートをまずはMiro AIに出力してもらいます。その後、メンバーが集まってワークショップ形式で振り返り会を開催するのですが、その際にKやPなどが終了したタイミングでカテゴライズしたいニーズもあります。その場合には対象のカードについてCSVエクスポートしつつ、Dev爺にてプリセットされたプロンプトを利用しながらKやPのカテゴライズを実施してもらってMiroにDocument形式でそれらを添付しその場でチームとしての振り返りを実施することができます。

MiroカードをDev爺にインプットして分類し、まとめを作成

生成AIの利活用は伸び代しかない

弊社における生成AIの活用ユーザー数は、2024年10月時点で全社の59%でしたが、12月現在では85%以上に達しています。これは前回の記事で述べた通り、生成AI全体の成長と社内での活用促進ニーズが高まった結果です。しかし、現在利用可能な生成AIソリューションを最大限に活用できているかというと、まだ改善の余地が多く残されています。

Dev爺を利用する週ごとのアクティブユーザー数

具体的な余地として、「どのようなユースケースがあるかわからない」というケースがあります。こちらの記事に記載されているように、1つの生成AIソリューションで完結するケースもあれば、複数の組み合わせにより真価を発揮するケースもあります。生成AIはあくまでツールの一環という視点で考えると、業務にあったケースに対して生成AIに明るいメンバーが利用方法を伴走しつつ、それぞれできることの理解を深めていく必要があります。

各業務の情報収集と生成AI利活用探索のインタビュー

また最近、文字情報以外の出力ニーズが高まっています。すでにDev爺によって画面作成のプロトタイプが実装されてイタリ、Notion AIやMiro AIなど、特定のオブジェクトにおける出力も活発に利用されています。一方でGoogle Workspaceにおけるスライドやドキュメントといった特定のフォーマットでの出力により、資料作成の効率を向上させたいというニーズは現在満たせていない状況です。これに対するソリューションについては、Gemini for Google Workspaceや社内ツールなど各種検証を進めています。

さいごに

このように、弊社では事業を高速で推進していくための生成AI利活用が活性化されており、多くのユースケースを試行錯誤しながら実践しています。これらの活動を通じて、ワクワクしながら事業を前に進めることにご興味がある方は、ぜひざっくばらんにお話ししましょう。


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