ネコとわたし
ネコの目は深淵につながっている。
わたしはネコ派だ。でもまとわりついてこられるのは好きではない。
たまに乱暴にこねくり回したくもなる。しっぽを持ってモップ替わりにに引きずり転がしたり、パンやうどんの生地をこねるようにうねうねといたぶったりする(パン屋うどんの生地をこねたことはない)。
そして、もっといじめたくなる衝動が湧き起こり「うぉー」となると、なぜかわたしは満足し、ネコで遊ぶのをやめる。
ネコはきょとんとしている。
「もう終わり?」と言いたげにわたしを見上げ、毛づくろいをはじめる。
そして、ネコは猫の世界へ、わたしはわたしの世界にもどる。