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月曜日の腐った牛乳 その弐 【短編小説】

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 その時、教室から誰かが出て行き、入れ違いにゆいが入ってきた。
「おはよう! 星太しょうたくん! 学佳まなかさん、日直お疲れさま!」
 結はクラス委員長で、先生からの信頼もあつい。僕は結に「おはよう」と言いながら、急いで自分の席に戻った。結は僕の席の右後ろで、一番廊下がわの席だ。

「先生の机のところで何してたの?」
 と結、
「いや、べつになにもないよ」
 と僕。
 結は「そう」と軽く流すと、昨日あったお笑い番組の話をしはじめた。
 僕は、そのことにそれ以上突っ込まれなかったことでの安堵感も手伝い、いつも以上に饒舌になり話は盛り上がった。

「なに朝からいちゃいちゃしてんだよ!」
 一成が、僕が座っている椅子の足を軽く蹴り、左隣の席に勢いよく座った。結との会話が止まった。

 僕は、急に恥ずかしくなり前を向いて座り直すと、日直当番の学佳さんが、先生の机に置かれている花瓶を持って、教室から出ていくところだった。
 日直には、先生の机の上にある花瓶の水を毎日換える仕事がある。

 僕は忘れていた朝の出来事に引き戻され、先生の机の上を見ると、僕が置いたはずの牛乳パックがなくなっていた……。

 学佳さんは、水換えの済んだ花瓶を先生の机の端に戻すと、何事もなく自分の席に戻った。

 牛乳パックはどこに行ったんだ? 結との話に夢中になっている間に、いつの間にかクラスには二〇人は来ている。この中に先生の机の上から腐った牛乳パックをどこかに持っていった人がいるのか?

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